第115話 強情娘 ページ25
「……白蘭は他のパラレルワールドの自分と考えや知識を共有できますが、裏を返せば、すべてが繋がっていて実体は一つしかないということなんです。つまり、この世界で白蘭を倒せば、全パラレルワールドの白蘭は消えて、」
あたたかいユニの笑顔に心がほっとする。
「もう恐ろしい未来の待つことのない、平和な過去へ帰れるはずです」
「過去へ帰れるんですねっ！」
「うんっ！」
ハルちゃんも京子ちゃんもイーピンも嬉しそうでよかった…
そうして始まった作戦会議の結果、
知能の高い雨イルカの力で、匣同士の連携を高めてコンビネーション必殺技を生み出せるらしい。
それから、入江正一を中心として真六弔花に対抗するグループが組まれた。
まず、守りの要となる地点には嵐の人、雷の人、ラル・ミルチが。
次に、湖の地点にはバジル、太猿、野猿、晴の人……そしてランボさんが。
「ちょっと待った！！！」
最後に、雪那＆雪華の兄妹と私、そして真美の名が呼ばれたんだけど…
ばっと立ち上がった真美が大きく反対する。
「あたしはユキお姉ちゃんからユニを頼む、って言われてる！！ クロームお姉ちゃんたちと組みたくないってわけじゃないけど、ユニから離れるつもりはないよ！」
「でたな強情娘…」
「なんか言った太猿！？」
はぁ、と真美の様子に頭を抱えるユニのファミリーにデジャヴを感じる。
……そっか、ユキさんに似てるんだ。
「真美。ここは入江さんの指示に従って」
「はぁ！？ なに言ってるのユニ！ なんのためにここまでついて来たと思ってるの！？」
真美は親友であるユニを守るためにいる。
ユニは高いアドバンテージを誇る真美にみんなの力になって欲しいと思っている。
「真六弔花と白蘭を倒せば、まわりまわってユニを守ることに繋がるだろーが」
「外野は黙ってて！！」
「んなっ！ 聞く耳なしーー！？」
嵐の人が宥めるために口を開いたけれど、すぐさま撥ねつけられる。
「真美」
「……それは誰としてのお願いなわけ？」
イライラした様子を隠しもせず半眼になる真美はユニを見下ろす。
「勿論、貴女の親友のユニとしてよ」
「………………さっさと真六弔花なんて倒して、あたしはあんたを守るんだから！！ 首洗って待ってなさいよ、ユニ！！！」
「返事が物騒すぎるーー！！」
ボスのツッコミももっともだと思う。
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
