第108話 歪みない ページ17
「ユキの伝言だぁ。森へ向かえ、だとよぉ」
「森か……ツナたちはどうしてる？」
山本に視線をやる。
「ああ、それが桔梗とブルーベル、トリカブトに逃げ込んだ先を襲撃されたらしくて…」
「何！？ ツナたちは無事なのか！？ それにトリカブトはチョイスでツナが倒したんじゃなかったのか」
「大丈夫っすよ。雪那やクロームたちが活躍して負傷者ゼロっつってたのな！ トリカブトは倒しきれていなかったらしいっすけど、今度こそツナが倒したって言ってたぜ」
なるほど……雪那は勿論だが、クローム髑髏はユキの弟子だったな。流石だ。
「しかし森か……どうやって合流するつもりだ？」
「そんなの簡単だよ」
恭弥が話に入ってくるなんて珍しいこともあるもんだな。
山本と一緒に首を傾げていると、恭弥は単純明快な答えを教えてくれた。
「戦闘音のする場所へ向かえばいい」
さ、流石だぜ恭弥……歪みねぇな。
ガサッ…
「「「「！」」」」
校舎に面する茂みから覗くのはピンと立った耳。
白銀色の炎が噴き出している。
「銀色の炎……つーことは、ユキさんの匣兵器だよな！」
「確か、ユキはアルジェって呼んでたな」
「……それにしては小さいけど？」
そいつは気にした風もなくオレたちの前を横切り、並中から見て森の方へ歩いていく。
一メートル離れ、三メートルほどオレたちから離れたところで振り返って唸り声をあげる。
つまりこれは…
「ついてこい、ってことかぁ゛？」
「みたいだな。よし、行くぜロマーリオ！」
「へいボス！」
「あ、恭さん……！」
「何。遅いよ」
って、恭弥の奴、もうあんな先まで……！
◇◇◇
マグロside
襲撃には遭ったけど、みんなのお陰でなんとか負傷者ゼロになったオレたちは日暮れになる頃には森に足を踏み入れていた。
「でもまさか、最初に未来にきた時の森に戻ってくるなんて…」
「仕方ねーだろ？ 不動産屋は燃えてなくなっちまったんだからな」
リボーンはそう言うけどさぁ…
「川平のおじさんになんて説明しよう…」
「燃えてなくなった、だ」
「そうなんだけどさ！！」
あー、もう！ 弁償とかになったらどーしよー！！
「…………ぁ……ぁ……あ……」
「！ ……何か聞こえないスか？」
「何ぃっ！？ 極限それは本当か！？」
怪訝そうな顔をする獄寺くんの言葉に、みんなが耳をすます。
えっ……て、敵だったらやばい……！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
