第104話 第二の特性 ページ13
反抗期って……ありえねー。
フツー兄貴に反抗するためとはいえマフィアに、それも敵対組織のボスになんかならないよ。
【それにあいつ、“氷の目”が力の源だと気づいてオレの両目を奪いやがったからな…………それも教え子のデイモンの目の前で。あとオレの死因はソレ】
…………まさかキミ、エレナの前に亡くなってないよね……？
【……いや、エレナの前だ】
エッ…………この世界のD・スペードのSAN値やばそうなんだけど。
「ゲホッ、ゴホッ……やって、くれたな……三浦ユキ」
『だからフルネームで人の名を呼ぶなっての……、……？』
「ん〜……？」
腹を押さえ、咳き込みながらやってくる反抗期野郎。
【反抗期野郎って……事実だけども】
なんだ、この違和感は……？
ミドゥーザとともに首を傾げながら眉間にしわを寄せる。
「雪の者同士の戦いは久方ぶりなのもので油断していたようだ。愛槍が壊れてしまうとは悲しいものだ……やはりこの世界は一度破壊し、新たに創造し直さねば駄目だ」
『……』
「……」
この厨二病具合も当時からなわけ？
【……まぁな】
まぁな、じゃないでしょ！！！ どんな教育してんだこのダメウサギ！！！！
【オレだって治そうと頑張ったんだよぉお！！！】
「武器なしにどーするワケ？」
「酷氷の炎で“造形”すればどうにでもなる」
キュアァア……！！
「へぇ……この白い炎はそんなこともできるんだネ。でも、ユキ様のクナイに当たって凍っちゃえば、また同じことじゃん？」
「フ…」
反抗期野郎は“造形”により生み出した槍を、こちらは血翔とお梅ちゃんを構える。
それぞれが流す炎は雷、そして――――雪。
ジリリ……と少しずつ間合いを狭め…
ヒュゥ……ガキィンッ！！！
一陣の風が吹き抜ける音とともに切り結ぶ。
武器が簡単に壊れないために流しているそれぞれの雷の炎がバチバチと弾ける。
そして槍の穂先に灯る雪の炎が膨れ上がり……、……！！！
『下がれミドゥーザ！！！』
「うぐっ！？」
ミドゥーザの襟首を掴み、後ろへ放り投げる。
その間に首を狙い迫りくる刃先を、お梅ちゃんで防ぐ。
ガッ……！！
「あっ…」
「ふむ。さすがは三浦ユキ」
「ユ、ユキ様……！！ 髪が……！！」
『問題ないよ』
首あたりでバッサリ……斬れた髪だけど、私にとっては命より軽いものだ。
それよりも…
「雪属性の第二の特性を察知するとは」
おいダメウサギ、いい加減に凍らしていいよね。
【タンマ！！】
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
