第102話 アルジェの形態変化 ページ11
暗器って厨二っぽいしダサくね？
【悪口いうなよぉ！！】
「あっ、小さいアルジェが……5体！ 一匹はユキ様の肩に乗ってるんだネ」
『うん。この仔を除く四匹は諜報・偵察・通信・記録及び撮影をこなしてくれるハイスペックなチビ狼なんだ。そして肩に乗ってるこの仔はその四匹からの情報を一括して私に伝えてくれる』
「へ〜、すっげ」
ね、ミニアルジェたちは優秀だよ〜。
そんでもって暗器だけど、バトルスーツに馴染んだアルジェが私が思うままに無数の暗器を生み出してくれるんだ。
四匹を傍に呼び寄せ、黒兎に聞こえないように囁く。
『森にいる綱吉くん、並盛中周辺にいる恭弥、そして森に向かうXANXUSくんとおチビさん……骸のところへ合流してね。XANXUSくんのところは明日の午前中になるかもしれないから、それまで敵に見つからないように隠れていること。それぞれ日暮れになったら彼らの前に姿を現してくれるかな』
ガウッ！！ ガウッ！！
スクアーロにはレーグがきちんと伝えてくれている筈だ……大丈夫。
散開していったミニアルジェたちを見送り、スーツの内側に手を差し込めば、ひんやりしたモノが手に渡る。
「クナイか……飛び道具ごときで決着がつくと思っているのか？」
『コレを味わってみればわかるよ』
横目でミドゥーザに視線をやり、陽動役で走り出し切り結ぶミドゥーザの首めがけて氷でできたクナイを投擲！
「ヒィッ！！？」
「！」
ギリギリで頭を低くして交わしたミドゥーザを越え、黒兎にクナイが迫る。
キンッ！
しかし弾かれる。
が、それでいい。
「なにっ！？」
ピキピキッ……！！
クナイを弾いた時に必然的に触れざるを得なかった槍の穂先が凄まじいスピードで凍っていく。
また、その影響か、凍った後にクナイは消えてなくなる……この原理は私にもよくわからなかった。
「だが、凍ったところで晴の炎を流して融かせば意味のないことだ」
ボウッ！！
「！！？」
「と、融けてない！！」
『雪の特性は“凍結”。純度の高い雪の炎は、他の炎でさえ凍らせる』
その証拠に黒兎が槍の穂先に灯した筈の晴の炎はシュウゥ……と頼りない音を立てて消えゆく。
驚愕して動揺を露わにする黒兎は隙だらけだ。
雷の炎を流して“硬化”させた氷のクナイを次は六本手にして投擲！
「ッ！！」
六本のクナイを避けきることのできなかった黒兎は苦渋にまみれた表情をしつつ、槍を振るう。
『かすったな？』
「！！！」
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
