第96話 覚悟の炎 ページ5
「姫様！！」
「お守りするぜ！！」
「
ふふん、ジッリョネロ集合だね！
「γ兄！ そいつ、γ兄の技のすべてを攻略してるから気をつけろよ！！」
「何……？ いい情報だ、助かった、雪那」
あっ、忘れてた……さっすが雪那。
「何やってんのトリカブト！ ユニを取り返すのよ！！」
「……野猿、太猿は雪那のところに合流してあげて」
「あ？ なんでだよ、オレたちだって姫様を守るぜ！」
「い・い・か・ら！！」
「ったく、相変わらず強情だな。わかった、わかった」
正直に考えて、二人の……ううん、γたちの実力じゃあトリカブトには敵わない。
ここで余計な戦力を減らすのは得策じゃない！
「来るよ、γ！」
相手は術士……すっごくやりづらい！！
コルルとビジェットが固有技でなくトリカブトに攻撃をしかけるけど…
キャンッ！ キャオン！！
「くそ！！」
駄目か……！
迫るトリカブトに対し、γが強い雷の炎を灯してシールドを作る。
「ふふ〜んだ！ あんたのランクのリングじゃトリカブトを止められないわよ〜だ！」
「それでも……やってやる……！！ おおおお！！！」
こうなったら、桔梗を抑える重力を少し弱めて私が……！
◇◇◇
クロームside
未来に来て、本当に……色々なことがあった。
大変だったし、苦しかったし……何よりも怖かった。
それでも立ち向かえたのは、きっと。
――――よくやってる、さすが私の弟子だ。
ユキさんに拾われて、骸さんや犬や千種、そして雪那と共に今までにない経験をして……私は強くなれたと思う。変われたと思う。
認められて、褒められて……嬉しかった。
――――クフフ……今日こそ師匠に勝ちますよ、クローム。
――――おせーびょん、ブス女！
――――アイスとチョコのせいで食費が……ユキさんと骸さんを止めるよ、クローム。
――――行こっ、クローム姉！
この残酷な未来に生きる雪那や雪華の力になりたい。
ボスたちと一緒に戦いたい。
――――正直言って、ここにいる誰よりもクロームちゃんが一番の才能の持ち主だと思ってるよ……自信を持って敵をブチ破れ。
平和な過去の世界へ、帰りたい……！！
ボォオオッ！！！
「なんだこの炎量っ……クローム姉……？」
バチッ……バチチチッ…！ ドゴォォオオン！！！
雷電の纏わりつく灼熱の火柱がトリカブトを襲う。
「にゅ！？」
「ボス……！」
「ああ」
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
