◇１：誰ひとりいない存在 ページ1
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けたましく鳴り響く私のものではないアラームを止める。
いつも私が家を出る時間にセットされてるのだけど、
本人の手で止められたことは未だかつて一度もないわけで。
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「ほーら、和。いってくるね」
和「ん〜A…。いってきますの…ち」
迫り寄ってくる和也の顔を手で押さえながら、
鏡で髪型を最終チェック。(朝の日課)
「しません。おにぎりと味噌汁が朝ごはんで、オムライスがお昼。わかった？」
和「またオムライス…。隙ありっ」
避けようとしたらとき既に遅く、朝からリップ音が部屋に落とされる。
くぅ〜…油断してた…
「〜っ！！！も、もう！化粧崩れるから朝はやめてって言ってるでしょ！」
和「じゃあ夜ならいいのかなぁ〜？夜のニノちゃんは激しいぞぉ〜？」
「まじで今すぐにわいせつ罪で捕まってくれる？？？」
ククっとほくそ笑む和也は悪魔にも見える。
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和「ほんとはしてほしいくせに〜仕事の疲れを俺のテクニックで癒して欲しいくせ」
「はいはいわかったから！いってきます！」
一瞬落ち込む姿は耳を垂らす子犬のようにも見える。
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和「A」
「ん？」
ちゅっ
「！！？ちょっと！本当に怒るよ！」
和「ふふっ。ほら、遅刻しちゃうんでしょ？いってらっしゃい」
そう言うと和也は欠伸をしながら右手をゆる〜く振ってベッドに戻っていった。
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「あんのやろ〜…。」
そんな超マイペースなわんこさんに
振り回される２６歳会社員でございます。
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作者名：高橋 | 作成日時：2015年3月31日 17時
