共依存の成れの果て【文スト】【ハピシュガ】【太宰治】

#９ 光の常習犯 ページ11

しおside


『ｯ、はぁ、重ｯ』


やっぱり持ち上げるのは無理だったけど、引き摺ってならなんとか運べそうだった。





女子高生が自分より一回り程大きい成人男性を引き摺る絵面なんて見たら忘れられないだろうし、それこそ警察沙汰に成ってしまうので、ここら辺ではあまり知られていない"秘密の裏路地"を使ってこの人を家に運ぶことにした。


とても、凄く気が引けたけど。




この人、先程は"急に雨に降られて"って云ってたけど、其れにしては濡れすぎな気もするし、体温がものすごく低い。


もしかして、その前からずっと水に浸ってたとか？


考えにくいけど、其れならこんなに風邪が悪化してるのも判る...

でも、何で服のまま水に浸ってたの？そもそも目的はなに？




...はぁ、考えたらきりがない。


もう少しペース上げよ。

傘も鞄も持ってて大変だし。



『はぁ、本当に最悪』








_____________


『ｯしょ、

ふぅ』



やっと家について、玄関に彼を降ろす。


肩と腰が痛い。



まず先に荷物を置いてから作業をしよう。


靴を脱いでリビングに上がり、荷物とジャケットを脱いでもう一度玄関に戻る。




『先ずは服、かな』


コートとループタイ(？)を脱がせて、水を絞る。

他も全部同じようにして、取り敢えずハンガーに掛けた。



裸に成ってしまった彼に毛布をかけてベット迄連れていく。

さっきより震えが酷くなってる。早く暖めてあげなきゃ。



ベットに寝せたら、前に遊んだ男の子達が忘れていった服などを着せた。


忘れ物の割にはちゃんとしたものが多かったので、これを口実にまた来るつもりだったのだろう。


下着からベルト迄確り置いてあり、捨てなくて良かったと思った。




寒いとき用に備え付けてあった湯タンポやカイロを、彼の近くに置いたら、その上にもう少し厚めの布団を掛けて上げた。



髪も乾かしてたら、


『よし、完璧』



後は薬とか飲ませたいけど、起きたらでいっか。
















其れより、あの全身に巻いてあった包帯は何？



包帯はある程度乾いていたし、血が滲んでいる様子もなかったから放置したけど、あれは明らかに異常だ。





昔大きな事故にあって、今でも躰に傷が残っているとか...？


あり得るかもしれないけど、服を着れば隠れてしまうような場所にも包帯を巻く必要はない。




うーん、気になるなぁ。






.....こっそり視ちゃおっかな

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