月光の甘いひと時 【狂い月】

たすけて ページ20

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貴「 ど、どういうこと…？」



満「 昔ここで、殺人事件があったってことだよ。」



貴「 え…殺人事件って、ここにいた学生全員がってことだよね。」



満「 うん…。その次に屋敷に入って来た人も、原因不明の死を遂げたり、失踪したりする事件があったらしい」




一瞬、ゾクッと身震いをする




貴「 それマジなの…？ だとしたらここまずくない？」



満「 まぁ今は事件もないし、大丈夫だとは思うけど…」



貴「 でも、この屋敷で人が死んだんだよ」



満「 …そうだけど、今は隼人達を探さないと帰れないし。」



冷静に対応する満、こんな事件があったと知っても平然といられるのには少し関心する。

でも、昔の事件くらいで慌てる私も
どうかしているのかもしれない。




貴「 …うん。確かに、隼人達を探してからだよね…」




そう言い、適当な本を手に取る



一通り見渡したあと、私は軋む扉を開けた。









隼人「 おー、いたいた！」






見慣れたセーター少年






貴「 隼人！ 戻ってくるの遅すぎ！」



隼人「 ごめんごめんw」



貴「 いいけどさ、他のみんなは？」



隼人「 あ！そうそう、 皆んな驚いててさ〜
こっち来なよ！さっき康平達がスゲーの見つけてさぁ 」



貴「 すごいもの？」



隼人「 来れば分かるって！こっちこっち」



貴「 ま、待ってよ！」




ウサギのように跳ねながら、隼人は奥へと進む。


扉を開け、本に集中する満へ声をかけた




貴「 みちる！ 隼人達がすごいの見つけたって！」



満「 …すごいもの？」




貴「 うん、はやくこっち来て！」




しぶしぶ本を閉じる満。


隼人に誘導され、右側の廊下の扉へと入って行った。






満「 何？」





響也「 これ 」





響也の指さす方を見ると、一枚の紙と月の形をしたカギが目に映った。





満「……… 何だこれ？」





貴「 紙に ゛たすけて゛って書いてある」




進「 康平と一緒に見つけたんだよ。
明らかに年季入ってるし、ここの噂からして
ガチじゃねーの？」



康平「 …なぁ、ここってなんの噂があるんだ？ 幽霊が出るとか？」



進「 まぁ、そういう話もあるな。」



隼人「 …例えば？」



進「 ここで死んだ住人の幽霊が出るとか、
鬼の怒りに触れると唸り声が聞こえるとか、
いろいろあんだよ」




進がそう言い終えると同時に、満も口を開いた。

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