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抜き放った刀を胸へとめがけて思っいきり振り下ろす。



 ―――その時、「バンッ!!」と、勢いよく障子が開き一人の人影が飛び込んできた。

驚くほどの勢いだというのに、それが私にはまるで、ゆっくりと静止画の様に見えた。







 ‥‥‥が、気付いた時には刀は取り上げられ、私は床に押し倒されていた。見上げた先には先程の蓮と良く似た男が居た。

 「‥‥‥」



 彼は私を見据えると、振り返り大声を張り上げた。

 「…副ちょ――」




 人を呼ぼうとしている事に気付いた私は慌てて言った。

 「待っ、待ってください。お願いです」


 驚いたようだが、僅かに思案した後、彼は私に向き直った。

 「何をしていた」

 そうは言われても、言葉が思い当たらず黙ってしまう。

 「・・・・・・」

 「答えろ」

 先程よりも鋭い口調で問い詰められ、私は重たい口を開いた。

 「なんでも、ございません」

 彼は思っいきり目を細めると私を睨みつけた。




 「離してください」

 「無駄な抵抗をしないと約束できるか」

 「‥‥‥はい」

 彼は私を解放すると、近からずも遠からずも距離に座り、私の刀を自分の脇に置いた。



 「それで━━…何故の行動だ。」







 私は顔をあげると、彼の目を見つめて話し出した。

 


 「―――こんなところでしょうか。
 裏切りによって滅ぼされた村、愛しい人の死。仇討の他、私に生きる気力を与えてくれる物はございませんでした。
 けれど、こうして羅刹と疑われる状況となった中、それも難しいでしょう…。
 それだけではございません。私がこの新選組に居ると奴らに知れ渡れば、この屯所も瞬く間に潰されるでしょう。

 ………いかがです?私が自分から命を絶とうとした理由。ご納得頂けましたでしょうか?」




 鬼ということは明かしていないが、話せることは全て話した。






 「それは…」

 彼は暫し口籠った。当然だろう。

 けれど、だからといって…私は救われない。

斎藤一→←生きる意味



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Maple?(プロフ) - ほっちさん» 読んで頂きありがとうございます!ミスの指摘ありがとうございます。重大な見落としでした……時間が出来次第訂正させていただきます。 (2021年9月20日 11時) (レス) id: 2807811a98 (このIDを非表示/違反報告)
ほっち - 素敵な作品で楽しく読ませていただいています。ひとつ気になるのが新撰組がいたのは京都では無いでしょうか? (2021年9月17日 17時) (レス) id: 9c174154d3 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 久しぶりです。。斎藤さんとはもう会えないの??かしら? (2021年6月13日 2時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こんにちは。分かりました。楽しみにしています。 (2021年5月16日 11時) (レス) id: 642b16c0b9 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 先がとても気になります。 (2021年4月29日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明風瑠 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月11日 8時

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