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目の端にとらえていた浅黄色は、私の焦りなどお構いなしに迫ってた。
(……どうしよう…どうしたらいい…!?)
焦りのあまり頭がうまく働かない。
このままここに立ちすくんでいては、まもなく新撰組と顔を合わせてしまう。
そして、最も恐れるべきは、背後の群衆に紛れて居るであろう――の存在。
立ち去らなくては、急いで此処を、離れなければ……!
頭ではそう理解していても、体は言うことを聞かず、背中に冷たい汗が伝う。
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ぱっくりと割れた人混みの間を、彼らは毅然と前を見つめながら歩く。
その姿は、気高くも恐れを抱かずにはいられない。
………そして、その先頭を歩く人を、私の知る人物であった。
「……斉藤、さん」
私の前に姿を現したその人物は、私を見て、僅かに目を見開いた。
「A、か……?」
”そうです。Aです”そう頷きそうになった。
………その瞬間。
”ガクン”……と。
鈍い痛みが首元に感じられた。
先程よりも大きく、驚きに目を見張る斉藤さんの姿が、私の視界を掠めていく。
それが、私が次に目を覚ます前、最後に見た景色だった。
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Maple?(プロフ) - ほっちさん» 読んで頂きありがとうございます!ミスの指摘ありがとうございます。重大な見落としでした……時間が出来次第訂正させていただきます。 (2021年9月20日 11時) (レス) id: 2807811a98 (このIDを非表示/違反報告)
ほっち - 素敵な作品で楽しく読ませていただいています。ひとつ気になるのが新撰組がいたのは京都では無いでしょうか? (2021年9月17日 17時) (レス) id: 9c174154d3 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 久しぶりです。。斎藤さんとはもう会えないの??かしら? (2021年6月13日 2時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こんにちは。分かりました。楽しみにしています。 (2021年5月16日 11時) (レス) id: 642b16c0b9 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 先がとても気になります。 (2021年4月29日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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