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「おやまあ、そこに居るのはAちゃんかい?」


急に背後から名前を呼ばれ、私はぎょっとして振り返った。




そこには河川敷の上から心配そうにこちらを見下ろすお妙さんの姿があった。

「こんな時間に一人で一体どうしたんだい?‥‥‥そんな薄着では風を引いてしまうじゃないか」


お妙さんは小走りにこちらへ駆け寄りながら心配そうに言った。







「お妙さん…………」

妙に懐かしいものがあった。


駆け寄るお妙さんの姿が、不思議とぼやける。









「…Aちゃん………」

お妙さんは私の横に膝をつくようにして私を覗き込むと、驚いたように名を呼んだ。


「何か……あったんだね…?」








「お妙さん………私‥‥‥」

口を開く度に涙込み上げ、頬を伝う。




「ああ、ああ‥‥もう、こんなに泣いて‥‥無理して話さなくてもいいんだよ?」

お妙さんは優しく涙を拭ってくれる。


その手の温かさに救われるようにホッとする自分がいた。








「泣きたい時は、無理せず泣いておしまい。我慢をしても何にもいい事なんかないんだからさ‥‥ね…?」



「…ぅ………ッ……」

お妙さんは、私の背中を優しくさすってくれた。






「‥‥ぁぁぁ、ああああああッ!!」


河川敷の冷えた空気を揺らす泣き声が響き渡る。


そして私は、声が枯れ、気分が落ち着くまでの長い間、こうして泣き続けた。

風間家の里〜旅立ち〜→←*3



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設定タグ:薄桜鬼 , 斎藤一 , 新選組
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Maple?(プロフ) - ほっちさん» 読んで頂きありがとうございます!ミスの指摘ありがとうございます。重大な見落としでした……時間が出来次第訂正させていただきます。 (2021年9月20日 11時) (レス) id: 2807811a98 (このIDを非表示/違反報告)
ほっち - 素敵な作品で楽しく読ませていただいています。ひとつ気になるのが新撰組がいたのは京都では無いでしょうか? (2021年9月17日 17時) (レス) id: 9c174154d3 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 久しぶりです。。斎藤さんとはもう会えないの??かしら? (2021年6月13日 2時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こんにちは。分かりました。楽しみにしています。 (2021年5月16日 11時) (レス) id: 642b16c0b9 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 先がとても気になります。 (2021年4月29日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明風瑠 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月11日 8時

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