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俯いた私に、彼は言葉をかけた。

「実は、今日は贈り物があってきたんだ。」


「贈り物‥‥‥?」







「ああ、里の職人に作らせた。きっとおまえに似合うと思って‥‥‥」

彼が懐から取り出したのは、一風変わった簪。




「それは‥‥‥?」

留め具…というか、土台は真っ黒。その上に、奇麗な桜の花の彫り物がかたどられていた。




周りが黒いせいで、白と薄紅色の可愛らしい桜の花がよく引き立っいる。




「常日頃から、俺はAの奇麗な黒髪が好きだった。なのにおまえは大して気を使っていないものだから‥‥‥俺がなにか贈れたら、と」





















優しい婚約者



















特に不満があるわけではなかった。

ただ素直になれないだけ。

自分の意志が反映されていない婚約に子供らしくいじけていただけ。






――でも、この時気が付いた。



私の事を、自分のことをよく見て、そして考えてくれている。

私に似合うものを考えて、贈りたいと思ってくれている。








拗ねてばかりで可愛くない、こんな婚約者の私を‥‥‥大切にしようと思ってくれている。









一陣のが吹き、舞い散る桜の下…彼の笑顔が何故かとても愛おしく思えた。


「ありがとう、ございます。‥‥‥蓮」







それが、彼との出会いだった。



思えば幸せな日々。

彼と出会わせてくれた両親には感謝の言葉しかない。









だから私は、その日々を壊したあいつを討つ。


風間家の里にも、いけない。

千景様の誘いに、同族としての気遣いなどの意味も含まれているのはわかっている。

彼も、一概に悪い人ではないのだから。


――でも、千景様‥‥‥私が思うのは、蓮一人。

土方said→←回想〜簪〜



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Maple?(プロフ) - ほっちさん» 読んで頂きありがとうございます!ミスの指摘ありがとうございます。重大な見落としでした……時間が出来次第訂正させていただきます。 (2021年9月20日 11時) (レス) id: 2807811a98 (このIDを非表示/違反報告)
ほっち - 素敵な作品で楽しく読ませていただいています。ひとつ気になるのが新撰組がいたのは京都では無いでしょうか? (2021年9月17日 17時) (レス) id: 9c174154d3 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 久しぶりです。。斎藤さんとはもう会えないの??かしら? (2021年6月13日 2時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こんにちは。分かりました。楽しみにしています。 (2021年5月16日 11時) (レス) id: 642b16c0b9 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 先がとても気になります。 (2021年4月29日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明風瑠 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月11日 8時

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