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西国の鬼の頭領〜再会〜 ページ15

「千景様‥‥‥」」

 通りの向こうに見えた人影‥‥‥彼の名は「風間千景」西を統べる西国の鬼の一族、風間家の頭領。




 実は彼とは見合いをしたことがあり、決局蓮と婚約した訳だから彼とはそれきりだった。

 けれど……本当のところ、彼はかなり自分勝手で、一言で言えば”強引”だ。




 見合いは私が決めた訳じゃなかったが、父様と母様が、「流石に‥‥‥」

などと言って婚約を辞めたのを覚えている。






 これはかなりまずい。千景様に見つかったら…まず風間家の里に連れて行かれるのは間違いない。

 そして、最悪の場合敵討ちなど持っての他。




 一見、私の生き場所は与えられたように見えるが実は無いに等しい。

そんな生活が待ち受けているのは簡単に予想がついた。

 私はそっと後ろに下がり、元来た道を引き返した。









けれど…



「おい。何を急いでいる」

「‥‥‥」

背後から唐突に聞こえた声に、頭を抱えたくなった。




「聞こえぬのか、Aの娘。」

「人違いではございませんか?」

私は振り返り曖昧に笑ってみせるとごまかすように言った。





千景様に通用しない。でもそうせずにはいられなかった。

「何をとぼけている。AA」

「始めてお会いしたかと思います。名前も違っておりますし」




「何を馬鹿なことを。お前の茶番に付き合ってやれる程暇ではおらん」

(やっぱり駄目か…ここは立ち去ろう)

「申し訳ございません。先を急いでおりますので」

やんわりと頭を下げ、私は歩きだした。








「待て」

けれど千景様に腕を掴まれてしまう


(まずい。新選組の人間が見張っているかもしれないのに…!)

「離してください!」

「お前が自分の素性を素直に認めたらな」






(相変わらず強引な…)

ついカッとした私は口を滑らせてしまう。



「お離しください!千景様!」








「ほう」

それを見た千景様は、口角を上げた微笑を浮かべる。







「!」

どうして私はこう大事なところで‥‥‥

*2→←*2



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Maple?(プロフ) - ほっちさん» 読んで頂きありがとうございます!ミスの指摘ありがとうございます。重大な見落としでした……時間が出来次第訂正させていただきます。 (2021年9月20日 11時) (レス) id: 2807811a98 (このIDを非表示/違反報告)
ほっち - 素敵な作品で楽しく読ませていただいています。ひとつ気になるのが新撰組がいたのは京都では無いでしょうか? (2021年9月17日 17時) (レス) id: 9c174154d3 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 久しぶりです。。斎藤さんとはもう会えないの??かしら? (2021年6月13日 2時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こんにちは。分かりました。楽しみにしています。 (2021年5月16日 11時) (レス) id: 642b16c0b9 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 先がとても気になります。 (2021年4月29日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明風瑠 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月11日 8時

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