序章 ページ2
目の前が炎に包まれていく。その中から数人の人が声をあげて走ってくる。(逃げなきゃ‥‥‥)
私は腕の中で冷たくなっていく愛しい人に呼びかける。
「蓮、蓮起きて、逃げましょう。奴らが来る。」
彼はもう開けることさえかなわないのか目を閉じたまま唇を震わせた。
「俺…は、いい。‥‥‥いけ、は…やく」
「いたぞ!あそこだ。捕らえろ!」
「い、きろ、よ」
(なんで、なんでそんなことを言うの?貴方がいなきゃ、私)
「A…愛、して・‥‥る。」
それを言うと今度こそ彼は動かなくなった。
「蓮‥‥‥」
(死ねない。こんなところで殺されてたまるか。)
彼の瞼にそっと唇を寄せて私も目を軽く瞑る。
そして立ち上がると、溢れる涙を拭って駆け出した。振り返りはしない。そして、私の心には一つの思いが生まれた。
(人間を、許さない。)
そんな思いを抱えて、逃げ続けた。
しかし、
「ここまでか」
限界まで走り続けたが、追っ手は確実に迫っている。私は振り向くと刀を構えた。
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Maple?(プロフ) - ほっちさん» 読んで頂きありがとうございます!ミスの指摘ありがとうございます。重大な見落としでした……時間が出来次第訂正させていただきます。 (2021年9月20日 11時) (レス) id: 2807811a98 (このIDを非表示/違反報告)
ほっち - 素敵な作品で楽しく読ませていただいています。ひとつ気になるのが新撰組がいたのは京都では無いでしょうか? (2021年9月17日 17時) (レス) id: 9c174154d3 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 久しぶりです。。斎藤さんとはもう会えないの??かしら? (2021年6月13日 2時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こんにちは。分かりました。楽しみにしています。 (2021年5月16日 11時) (レス) id: 642b16c0b9 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 先がとても気になります。 (2021年4月29日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
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