珈琲二十九杯。 ページ32
「安吾、さ … あ、 …」
言葉が出ない。
つい、先日まで、愛しく感じたのに、今は、恐怖、憎しみ、それだけだ。
うそつき、うそつき、。
「Aさん、… 、」
彼は私を見るとぽそ、と呟いた。
「真逆、飛び降りるとはねぇ。次は足の骨が折れるんじゃない ?」
「降りた先には愛しかった人間が、か。同情するぜ。」
こつ、こつ、と足音が自棄に鮮明に響く。
彼等の声は、最早ただの恐怖でしかなかった。
「ッ … 、すいません、Aさん、僕の、せいで … !!」
彼は苦しそうに云う。
何で、貴方はそんなに苦しそうなの。
苦しいのは、私の方なのに。
こつ、こつ、足音が近付く。
ぽん、と肩に手をおかれる。
「さて、Aさん、来てもらおうかな。」
治さんの顔は見ていないが、恐らく、又、感情のない笑顔を張り付けているのだろう。
ああ、やめて、うそつき。
「もう、もう … 、もう、やめてよ ッ !!!!!! 」
其処で世界は暗転した。
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レナ(プロフ) - 完結おめでとうございます。バットエンドだったのですが涙がでてしまいました。とても意味が深い小説でした。これからもがんばってください。 (2016年10月24日 17時) (レス) id: 06bf2f6e81 (このIDを非表示/違反報告)
氷菓。(プロフ) - 沖田ふれあ@名前戻したさん» 実は、この小説は最初からバッドエンド、と決めていたんです。えぇ 、えぇ ( !! ) 是非、読ませて頂きます !! (2016年10月17日 16時) (レス) id: 150760e981 (このIDを非表示/違反報告)
沖田ふれあ@名前戻した - 氷菓。さん» こちらこそです。まさかあんなラストだ何て……。驚きました。えと、俺の書いてる小説も時間が有るとき見ていただけないでしようか?『探偵社所属、カップルの日常』と言うのなのですが…………。宜しければお願いします! (2016年10月16日 20時) (レス) id: 381ffeb3d6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 安吾!! (2016年10月16日 17時) (レス) id: ab5963e87e (このIDを非表示/違反報告)
はるる - コメント失礼します。安吾さんの描写に胸が張り裂けそうに……続きが気になるお気に入りの作品です!更新頑張って下さい! (2016年10月15日 22時) (レス) id: 76800349e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷菓。 | 作成日時:2016年10月1日 19時