中原家の反抗期【中原中也】一学期！

太宰さん ページ12

「…別に。あんたに関係ない。」








「冷たいなぁ。昔はあんなに可愛かったのに…」



そう言って態とらしく胸に手を当てる。




「…あんたこそ此処で何してんの。」







「いやね、仕事の途中に君が男連れで路地裏に入るのが見えたもので。」









「仕事は。」








「勿論サボったけど？」




信じられない此奴。






「君こそカツアゲなんてやってたら中也に怒られるよ？金には困ってないんでしょ？」








「あっちが舐めてかかるのが悪い。」








「ナンパを舐められてると判断する君もだけどね。」








「五月蠅いな。私が何しようと関係ないでしょ。」









「わぁ、反抗期。」




…此奴はいちいち神経を逆なでするようなことを…

落ち着こ、このままじゃペースに流されるだけだ。




「…其方はもう仕事に戻ったほうがいいんじゃない？怒られるよ？」








「大丈夫だよ。みんな慣れてるから。」









「…慣れるまでやるなよ。」








「それより私は空腹だ。何か食べに行かないかい？」









「私払わないから。」








「流石の私だって学生に奢らせるようなことはしないさ！」




そう言って太宰さんは財布を取り出した。





「…趣味悪。」





その財布には大きく「理想」とプリントされていた。






「私のではないよ。国木田君のものだ。」




スってきた！と、明るく言った。



…私とやってること大差ないし。カツアゲと一緒じゃん。





「まぁ、健全なお金なら良いか。」









「では行こうじゃないか！」

買い物→←水着

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す