兄妹でした【太宰治】

兄妹27 ページ28

「うっ…わぁ…」







「何ぼさっとしてるの。早く行くよ。」









「あ、はい！」








太宰幹部に連れて来られたのはなんだかお高そうなレストラン。



ドレスコードだったのか…







「いてっ！」




ハイヒールなんて滅多に履かないからさっきからつまづきそうになって…






「ん。」







「うぇ？」








「席、もう直ぐだけど摑まっときなよ。足痛いんでしょ？」









「あ、どうも…」





何？今日はなんかやけに優しい…








「君、お酒飲めるっけ？」









「いえ…飲んだことはありませんが…」









「ふぅん…じゃあ白。一番良いやつね。」








「ちょっ！太宰幹部！」









「なに。」









「私お酒なんて…って言うか未成年は禁止なんですよ？」









「マフィアがなに言ってんの。大丈夫だよ。此処はうちの傘下だから。」







そういう問題じゃ無いような…






「…じゃあ改めて、乾杯。」







「は、はい！乾杯…です。」








「…ねぇ………Aさん。」








「……………ん？！」




名前で呼ばれた？名前で呼ばれたよね？






「なに。そんなに吃驚して。」









「だ、だって…名前…」








「あ、兄が妹の名前を呼んじゃいけないわけ？」





と顔を少し赤くしながら言って来た。






幹部でもこんな顔をするんだなぁ…



「悪魔の子」 「冷酷無比」



…噂に踊らされてたのは、私の方だったのかも…

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