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◇６ ページ6
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身動きが取れないままAさんと俺の顔の距離はあと数センチ。
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酔っ払ってるからか涙目になっているAさんに不覚にもまたドキッとしてしまう。
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首に回された腕と大胆に開いた首元から香る、女の人特有のふんわりした匂いも
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首元に擦り付けられる頬の感触も
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眠たそうなAさんの甘えた声も
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全てが俺の心臓を忙しくさせる。
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前から気づいてはいたけど
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血が繋がっていないとはいえ、姉に対していちいち理性と戦っている弟ってどうなんだろう。
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いや違う。
きっとAさんみたいな美人を前にすると男はみんなこうなる。
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つまり自分もそこら辺の男と同じ。
この胸のザワつきもただの本能なんだ。
そう自分に言い聞かせる。
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作者名：umi | 作成日時：2017年10月2日 0時
