◇◆４◆◇ ページ21
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一週間後のバレンタインの日
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前の日の夜に、本屋さんで買った『恋が叶う！モテモテバレンタイン作戦！』っていうタイトルに思わず買ってしまったレシピ本をみながら
先生が前好きだって言ってたメロンパンをつくった
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お菓子作りはママの影響で結構やってたけど
パンを作るのははじめてで
レシピと葛藤しながら、なんとか無事に完成
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ママには「今日のお菓子は私がつくったやつ出すから」って言って
紅茶とメロンパンを準備して、想いを伝える準備万端っっ
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「好き」とか、そういうことよりも前に「これから先も会いたい」って気持ちを伝えたくて
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いつもよりも緊張した気持ちでインターホンの音を待った
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ピンポーン
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「......き、きた」
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和也「こんにちは」
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落ち着いたフレッシュブルーのYシャツに藍色のネクタイ
相変わらずスマートな先生
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和也「....んっふ(笑)お前、なんでそんな強張ってんの(笑)」
自分の部屋に入るなり、ガッチガチな私をみて先生がジャケットを脱ぎながら笑った
「いつもこういう顔なのっ//！」
和也「えー？そうだっけー？ふふっ....。よし、じゃ、とりあえずこないだの宿題みせて？」
「落ち着け自分」、そう唱えながら黙ってワークを渡すと
パラパラとワークを捲る手が、急にピタッと止まって、それから物凄い深いため息を吐いた
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「えっ.....にのちゃ」
和也「お前さあ」
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和也「.........いや、なんでもない。ごめんね？じゃあ、今日のところ、やるよ？」
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一瞬だけ、みせた
すごく寂しそうな顔
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「なにがあったの？」って聞く間もなく、先生が続きのページを開いて机の上にバサッとおいた
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「にのちゃん.....？」
和也「ほんとに鈍感」
「....へ？」
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和也「.......よりによってこのページだけねえ....」
独り言をつぶやくみたいにポツポツと言葉を落とす先生
言葉の意味が理解できない私は先生の顔色を伺うのに必死で...
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それでも先生は、そのワケを話す素振りはしてくれなくて
そのまま時間は過ぎていった
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作者名：結嘉 | 作成日時：2016年2月21日 16時
