◇◆６◆◇ ページ17
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夢みたいなマサキさんとの時間からあっという間に時は過ぎて
気づけばもう屋台を閉める時間
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ママ「よかったね、渡せて」
「うんっ」
ママ「でも、....ほんとに言わなくてよかったの？自分でつくりましたって」
「うん、....いいのっ！食べてくれるだけで幸せ」
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さっきまでの幸福な思い出に浸りながら屋台車のドアをバタンと閉めたら
その音のすぐ後で「Aちゃん！」って聞こえるはずのない声がした
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「えっ、....！？マサキさんっ！！？」
息を切らして「うわー久しぶりに走った！」って笑いながら私の前に立っているのはマサキさんだった
「えっ、あ、もしかして忘れ物か何かですか！？」
こんなに息を切らして、....どんな大事な忘れ物なんだろう？
そう思ってまた屋台のドアを開けて落とし物がないか確認しにいこうとしたら
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雅紀「忘れ物じゃなくて！言いたいことがあって」
その声と同時に優しく掴まれた手首
「.....？」
雅紀「......あのお弁当、....いつもと味違った」
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雅紀「俺の舌がおかしいのかなー？なんて思ったけど、毎週食べてるから、口に入れた瞬間に『いつもと違う』って思った」
「は、い.....、」
雅紀「あれ作ったの、もしかしてAちゃん？」
心臓がトクトクと脈打つ
「......、はい」
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雅紀「........めっっっちゃうまかった！！！」
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「え？」
雅紀「ママさんには申し訳ないけど、今日のが人生イチうまい唐揚げ弁当だった」
雅紀「それにマサキって、さっき呼んでくれたよね」
「あっ、//....」
雅紀「俺の名前、知っててくれてたんだ？」
目尻にキュッとシワをよせて
嬉しそうにはにかむ
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コクリと頷くと
マサキさんの手のひらが私の後頭部を抱えるようにすくい上げて
優しく、その身を引き寄せた
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雅紀「いつも明るくって、一生懸命働いてるAちゃんのこと、知らないうちにすっげー好きになってた」
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「、、//」
雅紀「.....俺のために、つくってくれたの？」
「....はいっ、、//」
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雅紀「やっべー......、今なら死んでもいいかも、俺(笑)」
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雅紀「これからは、ずっと俺のためにつくってよ、唐揚げ弁当」
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「......、それっ、って...」
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雅紀「決まってんでしょ？.........俺の彼女になってほしいってこと」
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ワンコインが運んでくれた奇跡
恋に満ちたこの日のことは、いつまでも、忘れない
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( END )
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作者名：結嘉 | 作成日時：2016年2月21日 16時
