◇◆ワンコインの奇跡◆◇( M.A ) ページ12
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「のり弁当２つ、ありがとうございましたー！」
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「Aー！今これ、出来上がったから！そっちに持ってって！」
「はーい！」
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佐々木A、１７歳
絶賛、お仕事中
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ママ「まあた、ソワソワしてる」
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ジャーのご飯をしゃもじでほぐすママの横で
エプロンの端を摘んだり、撫でてみたり.....
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「やっ//、そんなんじゃないっ！」
ママ「鼻の下伸びてるわよ？」
「んもうっ、やめてよママっ//」
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毎週土曜日と日曜日
午前の１１時〜１４時までの３時間
私のママは屋台車でお弁当を売っている。
開き始めたばかりの頃は、全然売れなくて。
でも、しばらくして、ある時を境にお弁当が飛ぶように売れた。
一人じゃ手が回らないってママが困ってたのをみて
「売り子とレジぐらいなら私がやるよ」って、弁当販売の手伝いをするようになった。
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針は１２時を指したところ
もうすぐ、あの人がやってくる.......
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浮ついた気持ちで屋台のカウンターの中から外の世界を眺める
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「.....まだ、かなぁ....」
今日は少し遅いなあ、なんて
時計をチラチラみちゃう私は、きっと重症
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「こんにちはー！今日もいい天気っすね！」
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「ぁ、........、っ、」
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レッドワインのVネックに淡いブルーのジーンズ
ゆるくウェーブした茶髪の髪に
太陽みたいな笑顔
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今日も、世界で一番きらきらしてる
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「いらっしゃいませっ....//」
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「唐揚げ弁当１つ、ください」
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手のひらに乗せられた金色のワンコイン
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支えるように私の手の甲を掬って渡すその仕草に
いつもドキドキする
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私は、名前も知らない
唐揚げ弁当のお兄さんに恋をした
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作者名：結嘉 | 作成日時：2016年2月21日 16時
