【刀剣乱舞】カ ミ カ ク シ

27本。 ページ27

分かってる。







政府の人が来るまで
この人が大人しくしているはずがないって。










分かってる。









鶴丸だってすぐに奪われてしまう。



















分かってるよ。






私が非力なことなんて。


























でもね、咲さん。













「__私は命をかけて鶴丸を守る覚悟はありますよ。





貴方にはそれがおありですか？」








私は皮肉そうに笑っているだろう。








だって咲さんの持っている手はガッタガタ震えてる














それを見てスッと落ち着いた。









__私はこの人より醜くないし弱くない。























「__うるさいうるさいうるさい！！！






小狐丸、《やれ》！！」









ああ、貴方は言霊縛りが出来るのね。






斬撃を辛うじて躱す私の前には
先ほどまで私を気にかけてくれていた小狐丸。
















__ねえ、咲さん、気付いてる？










彼、すごく悲しそうな顔していますよ。
















「……






《やめなさい、小狐丸》」





言霊縛りには言霊縛りでお返ししましょう。








私が微笑むと同時に倒れこむ小狐丸。





彼を撫でようとして伸ばした手を止めた。




今の汚い手では彼の髪を汚してしまう。
















「なっ、何故、言霊縛りを__」






「……あれで言霊縛りだなんて






笑わせないで下さいよ、咲さん」












私は思い出したの。







本当の言霊縛りってやつを。



















小さい時に体験した神隠しも。







こんなのまだぬるい方。



















「……そんなちゃちな子供騙しじゃ




私は屈しませんよ」











そう口だけは達者だが


身体は正直で













もう、立つことは間々ならない。









そりゃそうだ。





太ももには今剣が刺さっていたし





三日月で背中バッサリ斬られたし。













……あれ、でも背中の傷はあんまり痛くなかった。














何故だろうか。

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