story…６９ ページ19
A「ただいま帰りました」
「おかえりなさいませ、A様
旦那様と奥様がお待ちです」
A「分かりました」
今日は何か話があると言っていた
また縁談の話かしら？
あれから大分経つものね
それに私は今年で１６歳…
いつでも嫁に行ける歳になってしまった
A「もしそうだとしても断るだけよ」
軽く着替えて、2人が待つ部屋に着く
扉を開くと、そこには数人いた
中には慎司兄さんもいた
勢揃い…という事ね
A「遅くなりすいません」
母「いいのよ、お話をしていたから！」
A「ありがとうございます……！！」
この人は…
「ニコッ」
父「さて、揃ったところで話をしようではないか」
「そうですね」
父「お前も知っている通り、この方は鴉取さんだ」
A「…はい」
鴉取家…
両親と鴉取愛斗も目の前にいる
父「今回、お前と愛斗くんの"婚約"が決まった」
A「…はい？」
母「ずっと前から決まっていた事なのよ！
結婚はまだ先だけど、婚約だけしておきましょって！」
鴉取父「うちもAさんみたいな美人さんが嫁さんに来てくれると嬉しいよ」
鴉取母「ふふっ、そうね」
A「…どういう事ですか？」
母「どういう事ってそのままの意味よ？
うちには跡取りがいないから、こうしてAちゃんが愛斗さんと結婚してくれれば白鳥家も安定するの！
それにAちゃんも幸せになれるでしょ？」
A「何が幸せなのですか？」
母「え？」
A「勝手に決められて幸せになれるのですか？」
母「Aさん？」
A「今までお母様やお父様の言葉を聞いてきました
私にとってそれは正しいと思ってきたからです
ですが今回の婚約については納得出来ません
私は好きになった方と結ばれたい
申し訳ありませんが愛斗さんとは婚約できません」
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