【銀魂】空から女の子が降ってきました。17

第六百八十八訓 ページ44

拾い上げて、中身を見る。



やはりそれは斉藤くんの物らしく、Ƶ口調で言葉が綴ってあった。



何だろうと目を通す。どうやら万事屋へ送った物らしいが……





(おやおや……)





全て読み込んで、私は不意にフッと笑みをこぼした。

そしてまだ後ろでギャーギャー言い合っている三人に向けて話しかける。






『三人ともー、やはり斉藤くんは大丈夫そうだよ』



「「「？」」」






梯子から降りてきた三人に手紙を見せた。










.










"万事屋さんへ



長い間私が一人抱えてきた悩みに一緒に向き合って頂き、有難う御座いましたƵ


皆さんの助言を頼りに私なりに色々努力を重ねてきましたが、私にはやはり人と気兼ねなく話す事は無理な様ですƵ


声を聞いてもらいたかったたった一人の人にも、その人を前にしてしまえば恐らく緊張して話せないのではと思っています"





"その人にも、仲間にも、向き合えばやはり緊張してしまう物。どんな言葉をかけていいのか…全く思い浮かばなくなるんですƵ


でも、以前の様にそれを心苦しく思う事はなくなりましたƵ"





"私は今迄の人生で人と言葉を交わす事はほとんど無かったけれど、


言葉の代わりに沢山の人と剣を交わしてきましたƵ


時には仲間と、時には敵と、時には好敵手と。言葉という殻のない剥き出しの感情を剣に乗せ、互いにぶつけ合ってきましたƵ"





"今になって思えば、その戦場こそが私にとって幾千の言葉にも優る語らいの場だったのかもしれませんƵ


だから、私はもう戦場から逃げないと決めましたƵ


例えこの剣で隊規違反を犯した仲間を斬る事になろうとも、例えこの剣で友達になれそうだった者を斬る事になろうとも、"





"この鳴り響く剣撃一つ一つが私が彼等にかけられる唯一の言葉"





"沈黙の部隊、真選組三番隊隊長＿＿＿"






.







"斉藤終の言葉なのだから"










"柱阿腐郎 Ƶ"
"万事屋さん Ƶ"
"Aさん Ƶ"







それが現していたのは一つの決意なんだろう。








『光栄だねぇ、Ƶ帳の隠れメンバーになれるなんざ』








.








寡黙なあの子の心の中は、こんなにも凛としている。





……さて、コレにどう返信しようか。











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