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五拾六(獅子王side) ページ9

あんなに主命に抗う長谷部は初めてだ。
あんなに取り乱す燭台切は初めてだ。
あんなに必死な山姥切も…初めてだ…


鶴「はっはっは!いやいや楽しいな!」


この爺さんは…いつも通りだ……


獅「A、大丈夫か?」


一時的に俺の腕の中に避難させたAをのぞき込む。
若干震えている。
本当に可哀想な……


『す、すまなっ…び、くりして……』


…余程びっくりしたんだろう、引き攣るように笑ってはいるが、Aの目には涙が溜まっていた。
なんて純真な……


獅「…じっちゃんが女の子泣かせたぁー」

鶴「え!?嘘ぉ!?泣いたのか!?」

燭「…鶴さん?覚悟は…できてるね?」

長「無事にこの部屋から出れると思うまい?」


俺と鶴の爺さんは、恐る恐る後ろを振り返る。
そこには笑顔の燭台切と長谷部。
死ぬ覚悟で食い止める主と山姥切。

お、俺はどうすれば…!


「…主命だ、獅子王」

獅「…なんですか…」

「…死人を出すな」

獅「無理だろこれ!!!」

鶴「獅子王頼んだ!!」

獅「黙ってろ爺!!!!」


どうしようかとおろおろする。
取り敢えず何かするべきかと立ち上がろうとすると、何かに引き止められる。


『あ、すまぬ…』


Aが俺の服をずっと掴んでた。
気付いた彼女はすぐに手を離したが、俺はその手を掴み、もう1度服を握らせた。


獅「爺さんすまない、俺はAから離れられない」

鶴「獅子王ううう!!!」

倶「うるさいぞお前、ら…」

獅「大倶利伽羅!!!!」


丁度いいところに戦力が…!
倶利伽羅は室内を見渡す。
この激しい惨状を、くまなくじっくりと。


倶「…」

獅「…倶利伽羅…!」

倶「…昼餉は焼き鳥か?」

鶴「それ俺のこと!!?」

長「よくぞ言った倶利伽羅」


ダメだ、もうこれ1回死人出した方が早いんじゃね…
さよなら鶴の爺さん、今まで楽しかったよ…
次拾う鶴の爺さんは落ち着きがある人がいいなぁ……


「あーーーーもう!!!“全員動くな”!!!」

獅「うぉっ!?」

燭「言霊…?」


この場にいる刀の動きが止まる。
指一つ動かせない、不思議な感覚。
主がこれを使ったのは初めてだ…


「はぁーもう…これだけは使いたくなかったんだけど…鶴丸、お前は後で説教。2人は仲間への攻撃禁止。俺がみっちり言っとくから。分かった?」

長「……主命とあらば」

燭「…分かったよ、こんなのかっこよくないもんね」


や、やっと終わった…
主の術も解かれ、赤疲労になった俺達はその場に座り込んだ。

五拾七の幕(貴方side)→←五拾五の幕(山姥切国広side)



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ハク(プロフ) - とっても面白かったです!!番外編もみてみたいです! (2017年4月10日 17時) (レス) id: a0d23eb5b6 (このIDを非表示/違反報告)
新雪 - 最後涙でそうになった。w (2017年1月4日 1時) (レス) id: 295e266782 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はせがわ | 作成日時:2016年5月2日 20時

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