五拾五の幕(山姥切国広side) ページ8
「と、いうこと」
鶴「ふむ、なるほど。てっきり破廉恥なことをするのかと…」
はぁ、本当にこの爺は危うい…
しかし、俺達も迂闊だった。
Aのことを忘れていたわけではなかったが、まさかあそこまで照れるとは…
思わず自分たちがどれだけ恥ずかしいことをしているのか、嫌でも分かってしまった。
『す、すまないな…まだ私は体を十分に動かせない故…こちらを向いておる』
獅「本当にAは初々しいな。んじゃ、俺もそっち行ってやる!」
2人は不慣れな動きで部屋の隅に行って座った。
確かに、ふらふらしている。
その間にも俺達4人は再び上の服を脱ぎ、手入れをしてもらっていた。
全員軽傷にもなっていないから、すぐに終わるだろう。
獅「前の主の体とか、見たことねぇの?」
『ない…殿方を見るのも、晴明様のみでな…』
獅「じゃあここは居心地悪いんじゃねぇの?」
『最初は戸惑いはしたが…皆優しいからな』
獅子王とAの話し声が聞こえる。
その様子を見ている、霊力を与えられている途中の鶴丸の口角が上がった。
嫌な予感を察知…
燭「鶴丸さん、僕許せるか分からないからね」
へ「俺も、重傷者の1人くらい容易いぞ」
鶴「なんのことだ?」
あぁこれは…俺は干渉しない方がよさそうか…
未だにニヤニヤと悪巧みを図っていそうな鶴丸の表情。
これは目を離してはいけない…
「よし、次光忠ね」
燭「ああ、頼むよ」
「切国、準備しててね。あと、長谷部は第一部隊の子たち呼んできて」
長「かしこまりました」
この時俺達は、重大な過ちを犯した。
主の方へ移動する燭台切。
一度しめたボタンを外す俺。
服を着ながら部屋を出ようとする長谷部。
鶴「…抱きしめられるのも初めてか?」
上を着ないままAに抱きついた鶴丸。
『〜〜〜〜〜っ!!!?』
獅「んなっ…!!」
燭「鶴さん!!?」
長「貴様っ…!!!」
声を出せずに、そのまま硬直するA。
後ろから見える耳は千切れてしまいそうに赤い。
爺に死亡ふらぐ。
「待て!!やめろお前ら!!!本丸壊れるから!!!切国!!手伝ってくれ!!」
長「離せ切国!!!」
姥「俺が今ここで離したら、重傷者どころか死人が出るだろう!!!」
燭「主離してくれ!!切国くん!獅子王くん!!僕が許す!!!」
「俺が許さねぇよ!?」
鶴「はっはっは!」
長·燭「爺!!!!!」
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ハク(プロフ) - とっても面白かったです!!番外編もみてみたいです! (2017年4月10日 17時) (レス) id: a0d23eb5b6 (このIDを非表示/違反報告)
新雪 - 最後涙でそうになった。w (2017年1月4日 1時) (レス) id: 295e266782 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はせがわ | 作成日時:2016年5月2日 20時