14話 ページ14
「んなわけねえだろ」
だれかがぽつり、呟いた。
「そうだよなぁ」
「狩街の儀式なんて、大昔に消えたろ」
でもなあ、とサーファは頭を掻く。Aは未だに狩街の儀式の意味が分かっていない。
「リレスさん、狩街の儀式ってなんですか?」
Aはサーファに聞こえる最低限の声で問う。
「...狩街の儀式は、大昔にある街で発達した儀式だ。街で一番の美少女が月に一回、街の中心とされている広場で歌いながら舞い踊りをするんだ」
「そうすると...何かなるんですか?」
うむ、とリレスさんは唸る。
「モンスターの増殖、鉱石の大量発生だ」
サーファはじっと、先程まで少女が居たところを見つめる。
「モンスター増殖...って、ダメじゃないですか。それじゃあ、冒険者が沢山いないと...」
対処しきれない。そう言いかけたときに、Aは気付いた。
「...もしかして、鉱石の大量発生...って」
だから、狩街の儀式、なんて呼ばれてたんだ。
「モンスターが大量に出てくると、街のギルドから王都ギルドへ連絡がいって、冒険者は優先的に街に送り込まれる。すると武器屋や防具屋、宿屋は相当な儲けを手にすることができる。武器や防具は発生した鉱石で作れるし、そこらへんの問題は心配ない」
一回だけ、儀式をした街の警備に出たことがあるんだ、とサーファは言う。
「モンスターを大量に狩るから、狩街...」
...あれ、でも、なんかおかしい。
何か引っかかる。
さっき、ついさっき、耳にしたことの様な。
もやが消えず、ムズムズとした気持ちでAはサーファを見た。
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作者名:春雪 | 作成日時:2017年5月11日 18時