13話 ページ13
「おい、そろそろあれ、始まるぞ!」
「マジかよ!」
まわりが急に騒がしくなる。
すると、その黒髪の踊り子は歌い始める。
その声すらも綺麗で、まるで彼女は生きた宝石のようだった。
踊り子は歌い終わると、何かのクリスタルを持ち、口に近付け、何かをブツブツと唱える。
唱え終わると同時に、その宝石と彼女は光り、あっという間に消えてしまった。
「なんだったんでしょうね」
「そこら辺のおっさんにでも話聞く?」
「おっさんて...」
なんだか、リレスさんが口悪くなってるような気がする。
それも心を開いてくれている証拠なのかな、と勝手に解釈するAだったが、やはり少し残念だったらしく、眉を下げている。
「あの、これって何なんですか?」
サーファはすでに近くの人に話しかけており、Aは少し驚いた後、サーファの近くに寄っていく。
「あ?知らねえのか?こりゃレナ様のショーだよ、月一回、舞い踊りと歌を披露してくれんだ」
最早これもうちの名物だよなあ、とうんうん頷いているのは無視し、サーファは考え事を始めていた。
「月一回...舞い踊りと歌...」
ぼう、と考えてから、サーファは思い付いたように顔を上げる。
「狩街の儀式じゃないか?」
Aはその聞いたことのない単語に対して「なにそれ」と呟いているが、ショーで集まっていた人々は一気にサーファの方を向いた。
皆、冷たい目をしたり、驚いた目をしていたものがほとんどだった。
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作者名:春雪 | 作成日時:2017年5月11日 18時