十六枚目 ページ18
Side:Obi
「あぁー…やっちゃったよ」
ボスッとベッドに倒れこむ
開放日が終わって、自室に戻ったわけだけど、さっきの出来事を死ぬほど後悔している
「いやでもお姉さんのせいだから俺悪く……なくないよねぇ」
そっと唇に触れて見る
あの時感じた感触も熱も残ってない
けど、まだ覚えてる
「…柔らかかった」
ぼそりと本音が零れてハッと我に返る
なんだよ柔らかかったって。変態かよ
(どうしたもんかねぇ)
あの時の出来事が頭から離れてくれない
あの人の息遣いも熱も表情も全部全部
(そういえば、あの時のお姉さんそんなに動揺してなかったな…)
もしかしたら慣れているのか。そう考えるとモヤッとしてくる
あの人はあれでミツヒデさんより年上らしいし、色恋の一つや二つ経験済みの可能性もある
「うわ、なにそれ。すげぇむかつく」
俺も初めてってわけじゃないし、自分を棚に上げておいてなんだけど、凄くムカつく
あの人が誰かに触れるのも
誰かがあの人に触れるのも
想像しただけで殴りたくなる
「…くそ……」
もう寝てしまおうかと考えた時、部屋をノックする音が響く
「オビ、いるか?」
声でわかる。ミツヒデさんだ
「どーかしたんですかい?こんな夜遅くに」
「いや、明日の仕事内容が変わったからそれを伝えに」
「成る程。遅くまでお疲れ様です」
変更内容を聞き取り、別れようとするとミツヒデさんが声をかけて来た
「お前、サクさんと何かあったろ?」
「!!」
問いかけじゃなくて確信的疑問形
「なんでそう思うんですかい?」
「サクさんが俺の話を聞かずにぼーっとしてたからな」
「いや、それって普通じゃないですか?」
「サクさんは話を聞かないなんてことないんだ。何かしら反応も返ってくる」
ミツヒデさんの言葉にそういえばと思い出す
俺のことを邪険にしたり、邪魔そうな顔したりとかしても、ちゃんと話は聞いてくれて居た
「だから俺が何かしたかも。と」
「あぁ。"オビの馬鹿"っていう呟きが聞こえて来るぐらいだからな」
「…」
思わず苦笑
俺はお姉さんに悪態つかれるほど、嫌なことさせちゃったのかねぇ
「まあ、お前が答えてくれるとも思わないし…早めのうちに解決しろよ?イザナ様の肖像画を描く時期に入るからな」
「え、それとこれは関係ないんじゃ」
「大有りだ。サクさんは肖像画を描く時は相手の顔を観察する時ぐらいしか部屋から一切出ない」
「え、えぇっ……!?」
あっ、ていうかサクさん恋愛経験ないって言ってたわ
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
