十四枚目 ページ16
白雪と男優がステージに出る
「姫、どうかお聞きください」
「は、はい!」
「よし、言えた!」
女優は小さい拍手を送る
「お嬢さんあれ大分緊張してるなぁ」
「もう大丈夫よ。後は手の甲にキスされるくらいだしね」
「だそうです。主」
『だって、ゼン』
一応身バレ防止で王子はつけないでおいた
「……ダメだ」
「え?」
王子はふくれっ面に似た顔をしている
独占欲が強い人だことで
「決まってるだろ、あいつは役者じゃないんだ。そこまでする必要はない。座長と話してくる」
ゼン王子は座長の表情に違和感を抱いた
それに畳み掛けるように女優が男優の演技がいつもと違うと言い放った
『ふぅん…?』
僕は何かを急かす座長に近づく
「何を企んでいるんだい、座長さん」
『何をたくらんでいるのかな、座長殿』
あ、オビと被った
僕らにビビった座長が吐いた内容は
「姫の髪を暴けだと…!?」
「なんでそんなこと!!」
「あんな珍しい赤髪の代役見つけおいて放っておけるか!」
「あんたねぇ…」
こうも赤髪を珍しがられて見世物にされる白雪の気持ちも少しは考えてほしい
『ゼン王子、行くなら今だよ』
「あぁ。騎士殿、ちょっといいか?」
「えっ」
ゼン王子は衛兵の帽子と外套を脱いで、騎士役の仮面と外套を借りる
そのまま彼はステージの上へと登っていった
『いってらっしゃい。騎士様』
「あれは見世物じゃないんでねぇ」
ゼン王子はステージ真上まで到達して、降り立つ
今日は姫を守るナイトとして
『いいね。この話で子供向けの絵本でも描こうかな』
「それ、見てみたいかも」
『本当?リュウがそう言うなら描いてみよう』
思わぬ形となった劇だけど、無事成功した
舞台裏から少し客席が見えた時、ミツヒデと木々の姿が見えたから多分後で彼は説教だ
「お姉さん」
『?』
劇が幕を下ろした後、オビに声をかけられる
ゼン王子と白雪は少しだけ二人きりにするそうだ
「少し俺とデートしてくれないかい?」
『…はい?』
「はい了承いただき。じゃあ行くよ、お姉さん」
『あ、ちょっと…!僕はまだ…!!』
ーー
オビに手を引かれてついた場所は
『本当に君って身軽だよね』
「でしょー?」
城の中の高く聳える塔の屋根の上
高い場所は平気だし、今はオビに抱きかかえられているから不安もない
「気に入ってくれた?」
『うん。悪くない』
屋根の上からみえる城の周りとその先の城下
そして海へと隠れようとする太陽
凄く現実離れしていて綺麗だ
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
