海賊討伐 ページ7
女の恰好なのに、これだけの武器を持っているのは凄く不釣り合いな気がするけれど、彼は気にせずに私の手を取ったまま町を歩く
何も買わず、ただ歩くだけ
ふと、町の空気が変わった
遠くでどよめきが聞こえている。それがなんなのか理解すると、この穏やかな時間がおしまいであることが明白だ
手に持っただけの武器を備えていた場所へ納めて手を離す
「まったく…賊というのはなんでこうタイミングが悪いのだろうな」
『そう文句言わないで。ほら、さっさと行こう』
不服げなギーヴと共に船着き場へ向かう
ここからは戦闘。気持ちと表情を切り替える
ナルサスが指定した場所へ向かうと、もう全員集まっていたようだ
『すまない。遅れたかな』
「いや。時間通りだ。…しかしペルール。おぬしはペルールかルナかどちらかに絞らんか」
やっぱり指摘された
他の皆もほとんどが呆れ顔で私達を、特にギーヴを見ている
『ははっ、すまない。だが、私の婚約者はどうも納得がいかんようでな』
「…惚気が帰ってくるとは思わなかったぞ。まあいい。ペルールはダリューンと共に船に乗り、海賊どもを一掃してくれ」
『あぁ。承ったよ』
所持していた武器の一部をナルサスに預け、ダリューンと共に船に乗る
「そういう格好でのお前との共闘は初めてだな」
『当たり前だ。何度もあったら私もここまで苦労していない』
「ふ。…背中は預けるぞ、ペルール」
『お前の背は荷が重い』
いつも通りのやりとりを繰り広げていると、作戦は開始していた
目視で20ほどある海賊船に次々と炎が回る。先日の作戦が失敗した海賊達はしびれを切らし、自らの意志でギランに乗り込もうと考えたのだろう
が、もう少し頭をひねってから来てほしいものだ。こちらには、天才軍師と呼ばれる男がいるのだから
潮の流れを知り尽くす海賊たちを逆手に取った作戦。水路を開けて、潮の流れを変える。戦において大切な"自分たちの望む場所に兵力を集中させる"が成立するのである
クラーゼ達を乗せた船はもう海賊船に乗り込んだらしい
私達もそれに合流する
「行くぞ」
『あぁ』
商船"勝利"から海賊船本丸に乗り込む
一番図体の大きい、白いひげの男がこの大将だろう
ダリューンはその男に刃を向ける
「貴様の仲間に情けをかけたのは間違いだったようだ。今日は一人も逃す気はない。覚悟するのだな」
『私としては大人しく降伏をおすすめしよう』
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奈那 - 完結おめでとうございます!最高のギーヴの夢小説に出会えて幸せです♡こっちが本当のアルスラーン戦記であって欲しかった…。春月様のこれからの作品も楽しみにしております! (2023年2月8日 16時) (レス) @page22 id: baac7d2864 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。春月様のギーヴには毎度ドキドキさせていただき、更新が楽しみでなりませんでした。番外編や次回作等、これからの春月様のご活動も応援しております。 (2019年6月4日 20時) (レス) id: d74e0e0202 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 今度はメルレインメインの小説が見たいです。(*^O^*)o(^o^)o (2019年5月30日 20時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃのべる(プロフ) - はじめまして。以前から楽しく読ませてもらってました。完結おめでとうございます。かってではありますが、またギーヴのお話を書かれることを、楽しみにしています。 (2019年5月29日 21時) (レス) id: 7753f34fb2 (このIDを非表示/違反報告)
林香織(プロフ) - 春月さん» 本当に長い執筆お疲れ様でした!ありがとうございます!Twitterの方でセブンにて販売すると仰ってたので、買いに行きたいと思います(*^^*) (2019年5月29日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2017年9月27日 10時