染める染まる ページ6
「髄分と買うんだな」
『激戦続きで立て続けに手持ちが壊れたのでな。補充する暇がなかったのだよ』
「……ルナ」
『あ、ごめん…またペルールだった』
つい戻ってしまった口調を慌ててなおす
ギーヴとの決まり事として、彼と二人きりの時は、たとえ外であっても演じることは控えるようにと言われていた
こういう風についペルールの方になってしまったりするのだけど
「お前は男装していると落ち着けんらしいな。……よし、次は俺の買い物に付き合ってもらうぞ」
『へっ!?ちょっと…!』
買った品物を受け取るのを見計らって、ギーヴは私の手を引いて歩いて行く
(あ、手…)
先ほど繋ぎたいとモダモダしてたのに、成り行きで手を繋いで歩いている。それが可笑しくて、嬉しくて、頬が緩む
(単純)
「ここか。すまない、こいつに似合う服を見繕ってくれんか」
『へっ!?』
いつの間にか目的の場所に着いていたらしく、みれば服屋だった
どうやら、私の服を買おうとしているらしい
『ちょ、ちょっとギーヴ…!』
「文句なら聞かんぞ。お前が男になろうとするならば、俺が女に戻すまでだ」
店主が持ってきた服を品定めして、色々とオーダーしていく彼を止める術を誰か教えて欲しい
あれよあれよという間に納得のいくものが見つかったのか、彼はお金を渡して、服を私に渡す
「店の奥を貸してくれるそうだ。着替えてこい」
『え、えぇ…!?私、この後も色々仕事が…!』
「この後は海賊退治だけだろう。誰もお前がペルールなぞ気にはせん」
私の持っていた荷物を奪って代わりに服を押し付ける
拒否権はない。ということらしい
こういう時は素直に聞いておいた方が得策なので、大人しく買ってくれた服に着替えることにした
(強引なんだから)
買ってくれた服は、私の持っている女物の服よりは露出が少なく、とてもシンプルなものだった
けれど、所々でギーヴの身についているものと似ているものがあって、また頬が緩む
独占欲が強いのは、私も彼も一緒なのだ
『はい。着替えましたよ。旦那様』
着替えて、彼の元へ戻ると、ギーヴは自慢げに
「流石俺だな。奥方にぴったりだ」
と言って笑った
『調子いいんだから』
かという私も言葉は呆れていても、表情は緩みっぱなしであろうこと間違い無いだろう
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奈那 - 完結おめでとうございます！最高のギーヴの夢小説に出会えて幸せです♡こっちが本当のアルスラーン戦記であって欲しかった…。春月様のこれからの作品も楽しみにしております！ (2023年2月8日 16時) (
レス) @page22 id: baac7d2864 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。春月様のギーヴには毎度ドキドキさせていただき、更新が楽しみでなりませんでした。番外編や次回作等、これからの春月様のご活動も応援しております。 (2019年6月4日 20時) (レス) id: d74e0e0202 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 今度はメルレインメインの小説が見たいです。(*^O^*)o(^o^)o (2019年5月30日 20時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃのべる(プロフ) - はじめまして。以前から楽しく読ませてもらってました。完結おめでとうございます。かってではありますが、またギーヴのお話を書かれることを、楽しみにしています。 (2019年5月29日 21時) (レス) id: 7753f34fb2 (このIDを非表示/違反報告)
林香織(プロフ) - 春月さん» 本当に長い執筆お疲れ様でした！ありがとうございます！Twitterの方でセブンにて販売すると仰ってたので、買いに行きたいと思います(*^^*) (2019年5月29日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2017年9月27日 10時
