小言 ページ8
「っ、くそぉ!!」
頭もそう諦めが悪いわけでなく、向けられた剣をはじき、仲間に指示を出す
簡単に降伏するとは思ってはいなかったが、面倒に変わりはない
向かってくる賊をダリューンは次々と薙ぎ払っていく。何人向かおうが彼の敵ではないだろう
私は彼の背後を気にしながら賊と応戦。頭はダリューンに任せる
「女ぁ!!」
『ふむ、その心意気や良し。だがね、相手が悪いのだよ!!』
着実に追い詰め、他の船があらかた片付いたらしいクラーゼが到着する
二人は視線が合うなり、笑う。ダリューンにとって、相性がいいだろうことは見て分かった
『…休憩するか』
「ペルール!!サボらずに真面目にやれ!!」
『おっと、聞こえていたのかい。怒られてしまってはやらねばな』
剣から針に持ち替え、逃げようとしている賊に投げる。強めのしびれ薬を投与しているため、かすりでもしたら指一本も動かせない代物だ
『さぁ、生きたければその場に座るといい!』
賊の処理が着実に完了し始める頃、ひときわ高い音を立てて剣が弾かれた音を聞き、決着がついたことを悟った
「覚えておくのだな。我々がいる限り、これ以上この海で無法な真似はさせん」
「っ…ぐぅ」
頭が戦闘不能となり、ギランの人々の勝利で終わる
(さて…これであちらがどう動くか。だな)
未だ尻尾を見せない黒幕。これだけ大きく動いた海賊を野放しにするはずがない
何か仕掛けてくることは明白だった
「ペルール、帰るぞ」
『あぁ。ご苦労様。私がいてもいなくても結果は変わらないのだから、向こうで休んでいたかったのだけどなぁ』
「万騎長総都督が何を言う。今の言葉、殿下が聞いたらさぞ悲しまれるぞ」
『お前はいつまでたっても殿下だなぁ』
私の方が立場は上のはずなのに、こうしてダリューンに説教をされるのは今に始まったことではない
元々、地位を言い訳に距離が遠くなるのは嫌だったために、あまり気にしない
けれど、説教やお小言は昔から嫌いだった。特にダリューンとファランギースの
「お前は昔から、息を抜く場所がおかしいのだ。伯父に稽古をつけてもらっている時にどこかに行ったり」
『あれは、まだ騎士階級の時のアルスラーンに会いに行ってたからですー』
「お前な!何度も言ってるが殿下を呼び捨てなど!」
『聞こえない聞こえない』
「おい!!」
お小言が聞きたくなくて耳を塞ぐ
船着き場に着いたのでそそくさと船を下りるが、ダリューンは言い足りないのかガミガミと口を早々動かしている
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奈那 - 完結おめでとうございます!最高のギーヴの夢小説に出会えて幸せです♡こっちが本当のアルスラーン戦記であって欲しかった…。春月様のこれからの作品も楽しみにしております! (2023年2月8日 16時) (レス) @page22 id: baac7d2864 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。春月様のギーヴには毎度ドキドキさせていただき、更新が楽しみでなりませんでした。番外編や次回作等、これからの春月様のご活動も応援しております。 (2019年6月4日 20時) (レス) id: d74e0e0202 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 今度はメルレインメインの小説が見たいです。(*^O^*)o(^o^)o (2019年5月30日 20時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃのべる(プロフ) - はじめまして。以前から楽しく読ませてもらってました。完結おめでとうございます。かってではありますが、またギーヴのお話を書かれることを、楽しみにしています。 (2019年5月29日 21時) (レス) id: 7753f34fb2 (このIDを非表示/違反報告)
林香織(プロフ) - 春月さん» 本当に長い執筆お疲れ様でした!ありがとうございます!Twitterの方でセブンにて販売すると仰ってたので、買いに行きたいと思います(*^^*) (2019年5月29日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2017年9月27日 10時