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彼女ノ生キ方 ページ18

「おい奥さん!やめとけ!」

「離してっ!まだ中にあの子がっ!」

悲痛な叫びが聞こえる
みれば、一人の女性が必死にアパートへ戻ろうともがいている
とりあえず近くにいた人に話を聞くことにする

『どうしたんですか?』

「あの人のお子さんと猫がまだ逃げてないらしいんだ。奥さんは買い物に行ってたらしくてな」

『成る程…』

アパートを見る
まだ上の階が燃え盛っていて、入り口はまだ入れる余裕がある

『じゃあ、私が行ってきますね』

「えっ!?おい嬢ちゃん!?」

制止を聞かずに私は中へ入る

(あの人は上の方を見て泣き叫んでいたから、恐らく三階にいる)

階段を駆け上がり、三階まで到達すると視界は真っ赤に燃えている
燃える音が響いて、子供の声は聞こえない

(集中しろ…鴉よ。私にお前の耳を貸しておくれ)

目を閉じて全神経を耳へ集中させる
すると、ちいさな猫の鳴き声が聞こえてきた

(いた…!)

声のする場所へ走っていけば、小学生ぐらいの男の子と子猫
男の子は気を失って倒れている。幸い燃える木材の下敷きとかにはなっていない

『もう大丈夫だよ。君は私の服の中においで』

子猫を服の中にいれて、男の子を抱き上げる
すると、ガタンッという音を立てて天井が崩れて行くのが見えた

『!!』

ギュッと、男の子を守るように抱きしめる
けれど、次に来るはずの痛みはいつまでたってもこない

「たっく、てめぇ案外馬鹿だろ」

『あ……』

私たちを庇ったのは、あの黒い帽子のお兄さんだった
重力操作が出来る異能力で、瓦礫を浮かせている

「人助けすんのに、てめぇも巻き添え食らったら意味ねえだろうが」

『す、すみません…』

「……はぁ、なんで俺が人助けしてんだか」

浮かせていた瓦礫を他所へ投げ、彼は私に触れる

『わっ!?』

フワリと
体が宙に浮く。空を飛ぶ時とはまたちょっと違った浮遊感

「てめぇ、相当なお人好しだな。いつか死ぬぜ?」

『お兄さんも余り変わらない気がしますけど』

「あぁ?俺がお人好しなわけねえだろうが」

鋭い瞳で睨みつけて来る
とにかく、ここに長居は出来ないのでもう出なければいけない
お兄さんは私を抱えて外に出ようとする

『え!?あの、お兄さん、私歩けるんですけど!?』

「あ?てめぇトロそうだから俺が運んだ方が早え。大人しくしてやがれ」

彼は脆くなった窓を蹴破り、外へ飛び降りた

オ名前ハ?→←互イノ異能力



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです!更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください! (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2016年5月27日 15時

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