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互イノ異能力 ページ17

初対面のはずなのに、私の言葉を少なからず信じたこの人は一体何者なのか
雰囲気からして、只者じゃないのは分かる

(けど、流石にこのまま走り続けても意味はないか…)

何せ1km先だ

(だったら…いっそ)

『お兄さん、ちょっとこっち』

「うお」

路地裏へと引っ張る
周りに誰もいないのを確認して、彼と正面から向き合う

「なんだよ。まさか嘘だったとは言わねえだろうな」

『嘘じゃないです。けど、このまま走っていても手遅れの可能性が高いので』

「じゃあ、どうすんだよ」

『1分以上息を止めていられますか』

「は?」

私の突拍子もなさ過ぎる言葉に彼はぽかんとする。けれど頷いてはくれた
彼はきっと普通の人間じゃない。言葉遣いや仕草などで見ていえば、用心棒などの仕事をしている人間か、はたまたそっちの世界の人間だろう
なら、私の異能力を見ても泣いたりなんてしない

『異能力"鴉鬼"』

「!!」

バキバキと、おなじみの音とともに体が変形していく
最大サイズは3m。けれど今回はそれより小さめでもいいだろう

「てめぇ、まさか噂の……」

変化し終わるなり、私は彼を掴んで空高く飛ぶ
何かを言いかけてた気がするけれど、それは聞こえていなかったからどうしようもない

「おいっ!掴むなっ!!」

『(舌噛みますよ。飛ばしますか……らっ!?)』

ズシリと彼の身体が重たくなっていく
まるで鉄の塊だ。そのせいで飛行バランスが崩れてしまう

「てめぇは少し手加減しやがれ。俺じゃなかったら死んでたぞ」

と、思えばいつの間にか私の背後
雲を掴んだかのようだ

『(お兄さん、もしかして…異能力者…?)』

「そういうてめぇもだろうが」

いつの間にやら、あんたからてめぇに変わっているのは突っ込んだ方がいいのだろうか

『(ていうかお兄さん息は…)』

「あ?重力使いの俺に酸素もへったくれもあるかよ」

あぁなるほど。と納得してしまうのは、私たち両者が異能力者だからなのだろうか
なんともまあ変な人に出会ってしまったようだ

飛び続けて2分。ようやく出火元が見えた
出火元は古ぼけたアパート
キッチンが燃えたか何かのトラブルで燃えたか……多種多様だけれど

「マジで燃えてやがんのな」

『(降りますよ)』

人に見られないであろう路地裏に着地して、すぐさま異能を解く

『さてと…とりあえず行きましょう』

表通りに出て、現場を見上げる
火は、止まることを知らずに勢いが増すばかり
アパートの近くには、住民だろう人々が呆然とその有様を見ていた

彼女ノ生キ方→←黒ノ帽子ト事件



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです!更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください! (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2016年5月27日 15時

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