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黒ノ帽子ト事件 ページ16

地図通りに町中を進む
神奈川の中心街横浜。流石というかなんというか、えらい人だ

(都心より離れた場所に住んでいたからここまで多いのは迷いそうというか、酔いそうというか)

同じく神奈川生まれだというのにこうも違うのか
また今度、与謝野さんと一緒に街案内がてら買い物にでも行きたいものだ

(あぁ、でも、探偵社に入れるかが問題だよね)

いくら異能力集団とはいっても、会社であることには変わりない
なら、面接とかもあるんだろう
第一印象は…独歩と太宰としてはあまり良くない印象かもしれないけれど
なんてぼーっとしながら歩いていたのがいけないのだろうか

ドンッ

『わっ…と』

誰かにぶつかってしまう
幸い両方とも尻もちをついたりはしなかったけれど

『ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?』

みれは黒の外套を羽織り、帽子をかぶった小柄の男性だった
青色の瞳が私を射抜く

(鋭い目…見てるだけで殺されてしまいそう…)

「あぁ、問題ねえ。あんたは?」

低く、女性を誘惑しそうな甘い声
この人モテるだろうなぁ…なんて、赤の他人にこんなことを思うのは失礼かもしれない

『私は平気です。すみません。私が周りを見ていなかったせいで……ん?』

ふと目の端に灰色の煙が入る
雨雲かと思ったけど、違っていた。あの上に流れるような動きは間違いなく

『……燃えてる』

「あ?」

『火事…』

「火事だぁ?んなもんねえだろ」

どうやらこのお兄さんには見えないみたいだ
多分、私が見ているのは普通の人には見えない範囲。これも烏の、鳥の持つ性質、つまりは異能力の影響だ

『今からいけば…「まて」!』

走り出そうとする私を、お兄さんが止める

「俺にはさっぱり分からねえが、もし本当に火事なら、あんた一人でどうにかなるもんか」

『それは…』

確かに彼の言う通り、何も出来ないかもしれない
けれど、何もしないで死者が出るくらいなら

私は、自分が死んででも誰かが助かる道を選ぶ

『それでも、いきます。お兄さんは消防車呼んでおいてください』

今度こそ走り出そうとするけれど、止められる。なんなんだこの人

「俺も行く。女一人で行かせるのは味気が悪い」

ニッと不敵に笑って、彼は私を引っ張る
走って間に合うかどうかは分からないから、異能力使ってでも行こうと思っていたのに

(訳わかんないな、この人)

互イノ異能力→←イザ探偵社ヘ



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです!更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください! (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2016年5月27日 15時

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