イザ探偵社ヘ ページ15
『ん"…んん…』
眩しい
直感的にそう思うのは、日光が直接当たっているからだと思う
つまりは朝か昼の時間帯だ
「起きたか」
少し低めの声が私の鼓膜をくすぐる
その声に応えるように私の意識は浮上する
『んぅ…?』
しぱしぱと瞬きをしながら、視界に入ったものを把握する
畳に、誰かの足
それと、お腹が鳴るような美味しい匂いもする
「なんだ。お前は朝が弱いのか?」
『……んー…』
のそのそととりあえず起き上がる
すると、ばちりと目線があう
『……どっぽ?』
「あぁそうだ。寝ぼけていても俺のことは覚えているようで何よりだ」
『あ、あれ…私あの後本当に寝ちゃったんだ…』
段々と覚醒していって、状況が分かって来た
「起きたのなら風呂に入れ。着替えもそこにあるからそれを着るといい。それと、朝方、与謝野先生がお前に必要なものをそのトランクにつめたと言っていた。確認しておけ」
矢継ぎ早に言われる。そんなに一変に言わなくても…と思いながらトランクを確認する
主に下着やらそういう類だ。サイズは目見当の割にほぼほぼあっている
流石医者…なのだろうか
『ん、じゃあお風呂借ります…』
「そうしろ。あと、飯も温めておいたから風呂から出次第食べろ。谷崎が胃に優しいものを数品作ってくれた」
『はーい……ん?タニザキ?』
聞きなれない名前に首を傾げると、独歩は説明してくれた
昨日あった人たち以外にも社員がいるそうで、名前は谷崎潤一郎と谷崎ナオミ。兄妹だそうだ
そんな説明も程々に私はお風呂に入ることにした
置いてあった服は白のサイズが緩めの長袖と黒のズボン、手袋とチョーカーだ
動きやすさ重視なのだろう。正直なところ、スカートはあまり好きではないのでありがたい
『上がりました…あれ?』
脱衣所を出ると、部屋に独歩はいなかった
その代わり、先に出るという書き置きが、探偵社の住所付きで置いてあった
『自分で行けってか…たく…』
住所確認をしながら、ご飯に手をつける
昨日は遠慮して、全然食べなかったのもあってか箸が進む
勿論、美味しいのが大前提なのだけれど
(優しい味…谷崎潤一郎…だっけ?いいお兄さんなんだろうな)
料理は人柄が現れるというかなんというか…
テーブルにあったものを食べ切り、食器を水につけて出る準備をする
『会った時にお礼を言おう…独歩にも』
身支度を整えて、置いてあった鍵をかけて
いざ、出発
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ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです!更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください! (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2016年5月27日 15時