オ世話ニナリマス ページ12
『お邪魔しまーす』
部屋に入ると予想通りきっちり片付いていた
ここは独歩の部屋だ。今日から暫くはここでお世話になる
なにせ敦が一部屋使ったことで寮の部屋が手一杯なんだそうだ
なので、部屋が空くか、住む場所が見つかるかまでずっと独歩にお世話になることになる
私はいいのだが、世間的にはあまり良くないだろう
「あまり物を動かすなよ」
『子供じゃないからしないよ。あ、そうだ、台所借りていい?』
「まあいいが…何をする気だ?」
『台所ですることなんて一つしかないでしょ?』
腕をまくり、台所に行こうとすると止められた
「今日はダメだ。風呂に入ってこい。もう休め」
『なん…「台所に立ってもいいが、今日はやめろという話だ。ただでさえ今まで歩きっぱなしだった上に、餓死寸前だったんだ。疲労も心労も溜まっている筈だろう」
ぽす、と頭に手を置かれ、ゆっくり、ゆっくり撫でられる。独歩らしくないその手つきに段々と瞼が重くなる。凄く安心する手つきだ
(あ…そうだ…園長の撫で方に似てるんだ…)
全てを委ねられる安心感が独歩にはある
彼の本当の人柄を感じる
『独歩…』
「なんだ」
『ごめん、眠い…』
「いい。寝ろ。それが今日のお前の仕事だ」
独歩が私を抱き上げるような感覚がする
ちゃんと認知出来ないくらいには、意識が飛んでいるみたいだ
『おやすみ…』
「あぁ」
低く、優しい声で私は意識を手放した
ー・ー・ー
「寝たか」
俺の腕に全ての重さが加わったことで、意識を手放したのを確認する
顔を伺えば、安心し切った顔だ
「全く、無防備極まりないな…まぁ、仕方があるまい」
最初こそ気にしてはいなかったがこうして抱き上げると随分と軽い
それに、肉付きが良くない。少し骨の形が見える部分も伺える
よくもまあここまで耐えたものだ
「そのくせ焼きおにぎり6個しか食べんとは…」
あの小僧はしこたま食べた挙句、もう茶漬けは見たくないという始末だ
それに比べればコイツは餓死寸前の割りに食べる量が少なかった。多分、遠慮をしたのだろう
(朝起きたら、無理矢理にでも食わせんとな…しかし、俺も料理のレパートリーは少ない…誰か別の者に頼むべきか…)
いつまでもこのままで居るわけもなく、寝室に向かおうとすると、訪問者が一人
「国木田さん、いますか?」
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ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです!更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください! (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2016年5月27日 15時