89話 ページ39
泣き疲れて眠ってしまった蒼真を
篠原家に頼んで
俺はあやめ助産院へ行った。
「おはよう!
ハルくん、お待ちかねの看護師さん来てるよ」
洗濯物を干している亜由美さんが
声をかけてくれる。
「ほんと!今何してるの」
「誠司の検診に付き合ってくれてるよ」
花が咲いたような笑顔で満帆の
洗濯籠を俺に手渡す。
昨日のあの辛い話が本当だとは思えないほど
亜由美さんはいつも生き生きしている。
それに比べて俺はまだぐずぐず引きずって…。
カウンセラーの自分が全くカウンセリングできる立場じゃない。
なんてクズなんだろう。
苦しい…
「ハルくん?どうかしたの?」
「え、あ、あぁ…考え事…ちょっとした、」
亜由美さんは俺の目を見て
にこりと笑った。
「大丈夫!」
その言葉に何故かボロボロと涙をこぼしてしまった。
大人気ない。
ストレスがものすごく溜まってた訳でもないのに
全然涙が止まらなくて。
「大丈夫、大丈夫だよ」
わしわし頭を撫でるその撫で方が
誠司さんそっくりで。
きっと、亜由美さんが泣いた時に
今の俺みたいに苦しい時に
誠司さんがしてくれたんじゃないかなって
思うと月9みたいで胸の奥がキュンとした。
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朱々璃(プロフ) - こんぺいとうさん» 閲覧ありがとうございます!コメント頂けるとやる気起きます笑 少しずつですが頑張ります(^^) これから、兄弟一人一人の恋事情も挟みますのでお楽しみください!これからもよろしくお願いします (2017年11月13日 12時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください!楽しみにしています! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 44526260a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱々璃 | 作成日時:2017年11月2日 1時