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21話 ページ21

俺が勤めているあやめ助産院は、ド田舎にある。
それで、俺もド田舎に住んでいる。
巷で言う、限界集落、かな?

だけど、田舎にあるからこそ
男性ママは助かることが多い。

物価は安いし、あんまりお金も必要じゃない。
食料はぶつぶつ交換多いし、村興しで子供を産んで育てたらお金だってもらえる。

ちょっと街よりになれば、保育園もあるから
街に働きに行くこともできる。

家族に見捨てられ、人間不信になって助産院を訪れるシングルマザーや妊婦、カップルは全然少なくない。

助産院での費用も村が半分くらい出してくれるから本当に優しい良い村。

兄ちゃんは保育士だし、雨生はバスで1時間かけて街の結婚式場で働いている。
過ごしやすいこの街が俺は大好き。


あっという間に助産院に着いた。
大きな大きな古民家といったところだろうか。
庭もある、畑もある、とても大きな敷地だ。

「おはようございます〜」
車から降りたら畑から聞こえてきたこの声は、
亜由美さん。
先生の奥さんであり、助産師だ。

「おはよう、今日、蒼真連れてきたんだけどいいかな?」

「え!蒼真くん?!」

亜由美さんは、助手席でぐったりした蒼真を見つけた。

「…痩せたね、ふっくらしてたのに。
彼氏くん、亡くなったんだよね」

「辛いのは分かるんだけどね…。
そろそろ元気出して欲しいんだよね、
光貴が心配症だからさ」

少しだけ笑った。
心配そうに蒼真の顔を覗き込む
光貴の横顔が頭に浮かんだから。
本当に蒼真のこと大好きなんだから。

亜由美さんは、車の中の蒼真を遠目で見ながら言った。
「そっか、しかも体調も崩したの?」

俺は小さく息を吐いてから、言った。

「いや、俺は___つわりだと見てる」

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朱々璃(プロフ) - こはるさん» 閲覧ありがとうございます!体が弱いので少しずつの更新ですがよろしくお願いします! (2017年10月30日 21時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こはる - とても面白いです!最初は少し泣きました (笑) これからのお話も楽しみです!更新頑張ってください! (2017年10月28日 22時) (レス) id: df734a0178 (このIDを非表示/違反報告)
朱々璃(プロフ) - 凛月☆男の娘は国宝!!さん» 閲覧ありがとうございます!勿体無いお言葉嬉しいです。これから兄弟一人一人の話も進んでくるので、永らくよろしくお願いします! (2017年10月24日 20時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
凛月☆男の娘は国宝!! - あ゙あ゙ああぁ〜〜!!(´;ω;`) やめろー!これ以上いい話にもっていくな〜!! 涙腺崩壊して涙が止まらないよ〜〜! (訳: 朱々璃さんの作品は素晴らしいです!) (2017年10月21日 19時) (レス) id: 89f15ab5c3 (このIDを非表示/違反報告)
火野スウ(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!本当に嬉しいお言葉です!この話に思い入れすぎて、普段の生活でも隣に蒼真が見えちゃうような感じです笑 私自身、晴生同様、体が弱いので更新遅めですがよろしくお願いします!もしよければこれからも感想とかお願いします! (2016年10月10日 12時) (レス) id: 9435c25c3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱々璃 | 作成日時:2016年6月24日 18時

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