２６話目 ページ29
神威サイド
俺が春雨に入ってしばらく経ったとき
ある星で彼女に出会った
彼女を見つけたときは
美しい
そう思った
彼女は戦いの中でリミッターを外して戦う
だが暴れ回るだけじゃない、舞を踊るような綺麗さがあると感じた
彼女は戦場で涙を流しながら戦っていた
静かに涙を流していた
何日も彼女を観察していた
無意識に目で追っていたと言ったほうが正しい
彼女は無意識化で暴走し、終わった頃に意識が戻ることを繰り返している様だった
夜兎の本能を体現している彼女
本能のままに戦場に立つ
だが、無意識に自分の体が動く事を嘆いているように見えた
ある日もいつものように彼女を目で追っていた
だが今日は春雨がこの星を発つ日
頃合いを見て彼女がいる戦場に足を踏み入れた
初めて彼女と戦った
滅茶苦茶な動きだが急所を確実に狙ってくる
しばらくして
頭を鷲掴みし、体を浮かしたところで急に動かなくなった
目蓋も閉じたまま動かない
全身の力が全て抜けているのがわかる
不可解な動きがますます興味をそそられる
彼女の顔をまじまじと観察する
綺麗な顔をしている
体型から歳の割には小柄でちゃんとした食事を食べていないことが一目瞭然だった
早くその目が開いて瞳に俺を映さないか待ちきれなかった
しばらく無音の状態が続いた
静かに彼女の目が開かれ、瞳に俺が映る
その瞳は今まで見たことのない力強い瞳だった
鼓動が早くなって興奮していた
「君は強いね」
気付いたら彼女を春雨の船に連れてきていた
阿伏兎に無理を言ってしばらく俺の部屋で寝泊りをさせる許可をもらった
彼女の名前はA
俺を兄のように慕ってきた
俺は妹のように思ったことはない
Aの成長は著しく
あっという間に同じ背になったし、もっと強くなった
見た目も成長したこともあるが、最初に感じたものよりもずっと
美しくなった
春雨幹部がそれをいいように取引材料に使っていることに腹が立つ
前回の地球での接待もその一つだった
本人は知らないが、春雨第七師団の団長補佐は戦場の姫と噂が広がっている
しばらく前からAへの気持ちには気付いている
これは親や兄などといった家族愛ではない
当の本人は気付くそぶりも見せない
前途多難だな
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迷い猫 - 神威の一人称が僕になってますヨ！ (2021年11月2日 7時) (
レス) @page4 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
lica(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます\(//∇//)\ (2020年7月16日 15時) (レス) id: a09501c7ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです！更新楽しみにしてます！ (2020年7月2日 16時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
lica(プロフ) - 神威さん» コメントありがとうございますヽ(*´∀｀) リクエスト頂いた内容で早速書きたいと思います！ありがとうございます！ (2020年5月25日 10時) (レス) id: a09501c7ae (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - 読んでてとってもキュンキュンします！笑これからも期待してます！さっそくリクエストさせていただきたいんですけど神威の部屋でお家デートしたみたいな短編見てみたいです！難しいかもしれませんが出来たらやって欲しいです！m(*_ _)m (2020年5月25日 2時) (レス) id: 16991fe54c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：lica | 作成日時：2020年5月7日 15時
