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僕には兄がいる
と言っても、血の繋がりはない
小さな頃、よく面倒を見てくれていた人に今もお世話になっている
両親がいなくなった今は、その人の家にいることが多い
その人も、家族は祖父だけで、その祖父がさっき亡くなったと、電話があった
隠しているようだったけど、泣いていた
兄が泣いているのを見たことがなかった
それくらい、おじいさんのことを思っていたんだろう
「…今日は、僕がご飯作って待ってよう」
電話の最後に手続きしてから帰るから待ってて、って言ってたしそんなに時間もかからない、はずだから
いつもはやってくれてるんだし、今日くらいは
ううん、しばらくは僕が準備しよう
「悠仁くんほど上手く出来ないと思うけど、そばで見てたし」
そうして、慣れない器具を使って料理を始める
兄ほど手際は良くないし、味付けもいまいち
でもきっと、兄は美味しいと食べてくれる
「…早く、帰ってこないかな…」
僕にできることは今回も何もない
でも、そばに居ることはできるから
「今度は僕が…」
完成した料理の火を止めて、兄の帰りを待つ
広くはないこの家で並んで食べるご飯が好きだって悠仁くんも言ってたし
褒めてくれるかな…
･
「遅い」
すぐ帰るって、待っててって言われたし
だから待ってたけど日付が変わっても連絡も何もない
いつも遅くなる時は連絡くれてたのに、なんで？
何か大変なことに巻き込まれているのかも
「…もしかしたら…！」
あの変な、気持ち悪い何かに襲われているのかも
悠仁くんは強いけど、それだけでどうにかなるようなものじゃない、と思ってる
きっと僕は知らない何か特別な力でどうにかするような奴らなんだ
悠仁くんにあれが見えてた様子はない
知らずのうちに襲われて、そのまま帰ってこなかったら…？
「…嫌だ…、怖い、けど」
悠仁くんの方が大事だ
「…あ、」
もし無事で帰ってきたら、今度は悠仁くんが心配してしまうかも
だから、書き置きだけして…
「…行ってきます」
何も持たず、家を出た
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洸 - まさかの兄虎杖…！続き気になります！ (2022年4月23日 15時) (
レス) @page7 id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
まいむ(プロフ) - 面白かったです!お気に入り登録失礼します (2022年4月21日 7時) (レス) @page7 id: f87a093414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者
作成日時：2022年4月13日 13時
