春、さくら ページ2
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僕らは、もうすぐ高校２年生に進級する。
……たったひとりを除いて。
時間が経つのなんてあっという間で、
あの�猗畄爿瓩�ら、もう1年も経つ。
けれど、どれだけ月日が流れようと、
あの悲劇の関係者たちは、
一歩たりとも前に進めていない。
否、進めるわけなんてないのだ。
たったの一ミリも。
進むことが、きみに対しての裏切りだと
決別だと示してしまいそうで。
ふと窓の外を見やれば、桜の蕾が膨らんでいた。
……ああ、もうそんな季節なのか。
あそこに、行かなければ。
鉛のように重たい体を動かして、
時計を見上げる。
───１２時３０分。
前までなら考えられなかったような時間だ。
……まあでも、土曜日だし。
昨日は遅くまで生物の観察をしてたから、仕方ない。
そう言い訳をつらつらと心の中で述べて、
のっそりと体を起こす。
……明日がこわくなったのは、
明日が来ることが、眠ることがこわくなったのは
一体、いつからだったろうか。
おばさん達にも軽い挨拶しかせず、
朝ご飯兼昼ごはんを兼ねたものも、サラダと簡単なエッグトーストを半分だけ。
ごちそうさまでした、と手を合わせて、
また自室にこもり、ぼふんとベッドの上にダイブする。
……体が言うことをきかない。
頭ではわかっいるものの、
�狹斃貌��瓩脇阿�きになれない。
いつも趣味でしていた研究も、観察も、
最近は気を紛らわすためのものにしかなっていない。
……おもい。瞼も、体も、頭も、心も。
何もかもが、おもい。
潰れてしまいそうだ。
あの日、ばらばらになった心の破片は、
今もばらばらに、粉々になったまま。
己で修復することもせず、
そのままにしてしまっている。
この傷を背負っていくのが、
せめてもの償いだと、�狒完��瓩錣�っているから。
あの日の泣き顔も、無理につくったような笑顔も、
泣き腫らした瞳も、ぜんぶ、ぜんぶ
昨日のことのように思い出せる。
自分たちのせいだと、責めた。
責めて責めて責めて……行き着いた先が、
背負うことだった。
わすれないことだった。
望まれていないとはわかっていたけれど、
そうしないと、本当に立ち上がれそうになかった。
耳を塞いで、目を塞いで、明日がくるのを怖がって
そしたら、なにもできなくなると思った。
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A - 完結おめでとうございます！掲載当初からずっと追ってきた作品で、毎日更新されていないか確認するぐらい大好きな作品です。本当に完結おめでとうございます。ここまでおつかれ様でした。そして、こんなに素敵で感動する、最高の作品をありがとうございます！！ (8月4日 12時) (
レス) @page50 id: 6c0c6ff6b3 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 完結おめでとうございます。主さまの書かれるどこか儚いような、綺麗でどこか切ない文章がだいすきです。 (8月3日 17時) (レス) id: 39b04079dd (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - 完結おめでとうございます🎊私も天奏さんと同じでたくさん泣きまくりました。「春の向こう側で、きみを待つ」やあとがきで伝えてくれたことはとっても大切で、この話を読んで改めてまた、しっかり生きようと思わせてくれました。本当に天奏さんはすごいと思います！ (8月3日 15時) (レス) id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - わかりました！あと土下座はしないでくださいね。こっちまで申し訳ない気分になるので！ (8月1日 12時) (レス) @page42 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - ユメさん» たいっへん長らくお待たせしてしまって土下座したい気分です有言不実行な作者ですみません……。あと一話更新したのち、完結まで突っ走れると思います！これはほんとです！！あともう少しだけ、彼らのお話に付き合ってもらえるとありがたいです。 (8月1日 9時) (レス) id: 9f30b1fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天奏 | 作成日時：2022年6月9日 16時
