天涯の巫女と付喪神様

50話 審神者派遣組 ページ50

難しい顔してるねー紅丸！
そう言って俺の顔を覗き込んできたのは
金太郎、俺の相方
童顔な金太郎の顔が笑顔でなんか腹立つ
だから、ファイルで軽く
頭を叩いてやった
そしたら、なんで叩くの！？酷い！
ぷくっと頬を膨らませ、叩かれた場所を
押さえ俺を見てくる金太郎に
可愛くねぇーと言いながら
缶コーヒーを飲む
苦味が口の中へ広がる
クセになる味だ

あ、そう言えば
あの子が『審神者』になった本丸
前の候補者が出てきたって本当？
隣に座ってきた金太郎に
あぁと短く返事した




「巫女家系の女だってよ
確か、名前は

愛崎 玲花、だってよ」

「ふーん

あれ？愛崎？
俺の記憶が正しいなら
確か、あの子も『愛崎』じゃなかった？」

「あぁ、そうだな」

「そうだなって
もしかして、血縁者？」

「さぁな」

「ちゃんと教えてよ！紅丸！」




俺の腕を掴み揺らされる
揺らされながら思い出すのは
その愛崎 玲花の事
一目会った時思った、この女はだめだと
直感だ、直感。それだけで
なんでダメかはわからない
でも、そう思った
だから、あいつに悪いと思いながらも
少し家の事を調べさせてもらった
そしたら『情報』が教えてくれる





「ねぇー紅丸ってば！
俺にもちゃんと教えてよねー！
ねぇー紅丸ー」

「また、今度な」

「今度！？俺たち相棒だし！
情報共有希望！」

「はいはい、忘れてなかったら
教えてやる」

「それ忘れてるやつ！」

「金太郎、うるせぇ」





隣でぎゃーぎゃー言ってる金太郎

ー愛崎玲花のことについて調べましたが
誰かを突き落としたと
その人物は誰かは今だ把握は出来てませんが
その日から
愛崎家にいた『愛崎A』が行方不明だと
警察に届けは出されていますが
その姿は今だ見つからずのようですー

俺の考えが正しいなら
この女に審神者をさせられない
人を殺そうとする女が
審神者なんてしてみろ
それこそもっと黒く染まらせる
そんなのあってはならない

力込めた手、潰れた缶を
ゴミ箱へ投げ入れ捨てた

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