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珠 ページ3
「トレローニー…」
クロエがそう言うと、トレローニーにはこちらを向いた。
「どうしたの？クロエ。」
彼女のことをクロエと呼ぶのは教授や、彼女が信頼した者だけ。
「…今日はブラッドフルムーンだ」
その言葉はトレローニーを動揺させるのに十分であったようで＿＿。
「で、でも今日はそんな兆候は＿」
「あるんだ。何か。絶対に…そう、牝鹿が視える。」
彼女は何かを見ている。
その瞳の奥は閉ざされた心を示す。
「私も、できることはやってみるわね。」
トレローニーはそう言って奥へ入っていった。
微かに開いた扉の隙間から、月の光が見えていた。
黒いローブが杞憂に浸っていた
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作者名：黒狐＊黎穢（クロエ） | 作者ホームページ：http:
作成日時：2017年10月21日 11時
