幻海の彼方は黒か白か。それとも…

十二話 ページ19

後ろを振り向くと…______


貴「久々じゃないか、シュヴァル…僕を殺すつもりかい？」


シ「狂気化した者(モンスター)は排除する…それだけだ」


貴「ずいぶんと変わったじゃないか」


だめだ、息切れしてうまく喋れない


シ「あぁ、昔の俺とは違う」


貴「そうか…まずは僕から刃物を離してくれまいか」


シ「…」


貴「おっと、髪を握ると濡れるぞ、雨と霧の中を駆け抜けてきたからな」


シ「お前は怖くないのか」


貴「怖いさ、だってお前を殺しそうだ」


シ「…」


貴「怖いさ、足が震えそうだ」









貴「僕も変わってないな、独りが怖いんだよ」


シ「…」


貴「蜃気楼の塔に行くなら協力はしよう」


「その代わり」


シ「…その代わり？」


貴「私が狂気化を自らの力にできたならな」


シ「…今回だけだ」


貴「ふっ、少し気分転換だ、出掛ける」








嘘だ、嘘だよ

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