第8話 ページ10
休憩を挟みつつ歩き続けること恐らく数時間
道を照らしてくれていた太陽は沈みはじめ、周りは夕焼け色に染まっていた
石…いや名前あるっぽいから仮で石ちゃんとしよう。石ちゃんのお陰で疲れはそこまででは無いが周りは暗くなり始めているので段々と不安が積もってきている
歩く道が急斜面やら下に向かって流れていく小川やらを見るあたりここは山らしい
てことはほら…暗くなるとなんか出るのが定番じゃん…?狼とか熊とか…山小屋があれば幽霊とかもね…?
草木がガサッとか言ったら意外と大したこと無かったけどその後ろにヤバいやついるとか…
ヤバいやつ見つけちゃって逃げようとしたら都合よく枝とかあって踏んで見つかるとか…
やばい、あるある考えてたらさらに不安になってきた
なので石ちゃんに話しかける
「ね、ねぇ…」
『はい』
「なんか出てきても…大丈夫だよね?」
かなり大雑把な質問だが何でも答えてくれる石ちゃんなら大丈夫だと言ってくれるはず!スマホの某AIだって気の利いたこと言えるんだし!石ちゃんはその上の性能を持ってるはず!
『…大丈夫ですよ』
「
今
もう少し詳しく聞きたいが更に何かが立つ気がするので質問はしないでおこう
今しがた立ったフラグを折る方法を考えながら歩いているとふわりと甘い匂いが鼻を掠めるようになった
「なんだがいい匂いがする…花…?かな」
すっきりとする嗅いでいて不快感のない甘い匂いだ
『この先の山に、藤の木が多く植わっています』
どうやらその藤の花の匂いが風にのせられてここまできているらしい
『ちなみにその山が目的地です』
「えっそうなの?じゃあいいもの見れるね〜」
藤の木って写真でしか見たことないんだよね。好きなジャンプ漫画で藤の花が一年中狂い咲いてる山が出てきてから1回見てみたかったんだけどまさか別世界で仮聖地巡礼できるとは!死んでから初めての役得だな〜
『…そうですね。いいものは見れると思いますよ』
今また
だがさっきと同じようにこれ以上増えることを防ぐために質問はせずフラグの折り方を考えながら歩くことにしよう
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作者名:こはる | 作成日時:2020年12月16日 0時