第9話 ページ11
太陽が沈み、月が空に現れる
先程とはうって変わり、周りには幻想的な藤の花が広がっていた
「ほ〜こりゃまた立派な…」
自分よりも大きい捻れたような幹から蝶のような形の藤色の花が多く垂れ下がっている
さらに月の光に照らされてまるで光っているようにも見えるので花の色をより際立たせている
空すら見えずらくなるほどどこもかしこも藤で埋め尽くされている
ここまで多いと道が分からなくなりそうだが不思議なことに山だと言うのに整えられた道がある
『この道を真っ直ぐ進むと階段がありますのでそれを登ってください』
藤の花を楽しみつつ道なりに進むと確かに目の前に階段があったので上がっていく
あ〜これ地味にきついやつ。学校でいうと1階からプールのある5階まで行くくらい地味に疲れるやつだぁ〜。ハァ!!息切れ!!!
それでも足を止めずに登りながら気になっていた事を石ちゃんにきく
「ねぇっ」
『はい』
「このっ、階段の先にっ、何があるのっ?」
階段があるということは何かしらの建物があるのだろう
階段が石造りの古風な感じだし神社かお寺でもあんのかな?
『会場があります。そこで選別を受けてもらいます』
「ぇえ?選別ぅ、?なにっ…、組み分けでも…、ハァ…するのっ?」
息切れが…!!全然5階とかじゃないわ!絶対10階くらいはあるわ!!まじきちぃ…!
だがそんな階段も視線を上に向ければ終わりが近づいていた
その事に希望を見出し残りを気合いで登っていく
正直に言えば、この時の私は正常じゃなかった
死んで神様にあってよくわかんないこと押し付けられて落とされてプレゼント渡されて山の中歩かされて絶景見て階段登って息切れしてて、
前半カオス、後半山登りをしてなかなかに精神的に疲れていた
だから気づかなかった
神様が言ってた鬼のこととか
渡されたプレゼントが何故刀なこととか
時期でもないのに異様なほど咲いてる藤の花とか
石ちゃんが答えてくれた会場やら選別やらの言葉とか
こんなにもピースが揃ってるのに気づかなかった
残り数十段を登っていく
階段の先が見えてくる
『いいえ。そういうものではありません』
登りきった先には、
私と同じくらいの子達が刀を腰にさげ、鋭い視線で立っていた
その景色が脳内に稲妻を落とす
「アッ」
『ここは最終選別。鬼殺隊になるための試験の場です』
今の私に言えることはひとつ
フラグ回収
まじぴえん
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作者名:こはる | 作成日時:2020年12月16日 0時