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菅原side
「いやー影山、どんどん凄くなるよなあ」
テレビでひとしきり盛り上がった後、俺たちはバルコニーに出て、星空を見上げていた。
「ユースのマネージャー、めちゃくちゃ可愛くなかった?」
「それはわかる」
俺達の前に現れたユースのマネージャー。
「でも“ユース”って感じの人だったよ」
「貫禄とか言う言葉が違ったよな」
旭の言葉に大地がそう反応する。
“彼らの120%にケチをつける気にはなれません”
全部、見通していた。
でも、そんな彼女だからこそユースに選ばれる逸材たちが信頼しているのかもしれない。
「今のうちにサインもらっとこ」
「どっちのだよ」
俺がそういうと、大地がすかさず突っ込みを入れる。
「両方だべ。影山いないと会えないじゃん。ユースのマネなんて」
「影山サインとか考えるタイプじゃないだろ」
「じゃあ俺が考える」
「やめろって」
大地が笑いながら俺に言ってくる。
もっと、この三人でバレーがしたい。
相変わらず、そう思わせてくれるチームメイト。
「田中も今日、すごかったよなあ」
旭のつぶやき。
「超クロス!」
「からの極々ラインショット」
あれは影山のセットあってのスパイク。
けど、確かにあそこに打てた田中はすごかった。
「終盤のリバウンドもだよ。一番冷静って言葉からかけ離れてそうなのに」
旭のそんな言葉に、俺は思わず笑いそうになる。
田中はいつも元気系でどっちかというと精神的支柱。
けど、今回ばかりは冷静に状況判断をしていた。
それがなければ、俺たちは負けていたかもしれない。
「あと月島のブロック!淡々とコース絞りすぎだろ。職人かよ」
「おれだったら絶対手、出しちゃうわ」
後輩たちのそんな姿に変わらず俺は心を踊らさせられる。
「あと日向のレシーブな。ディグもそうだし」
俺の脳裏によぎるのは、最後の一点。
旭も大地もそのことは思っていたらしい。
「なんかあいつらみてるとさあ」
大地がそこで区切るので、思わず大地のほうを見る。
彼は変わらず前を見ていた。
「負けたくない」
“対戦相手にはもちろんそうなんだけど、あいつらにも負けたくないよ”と続けた大地に俺は思わず肯定の意を示した。
「お前対抗して明日いきなり超クロスとかやんなよ?」
「なに言ってんだ。そんな度胸はない」
「あれよ」
明日の相手が音駒だとか関係なく、いつものように夜が更けていく。
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虹希(プロフ) - 水無月さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!待っていてくださるなんて…!本当にありがとうございます! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - あまねさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これから単行本を入手し、少しずつ更新していきます…! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 下の方と同じくなんでもっと早く出会わなかったのか後悔しています((更新いつまでも待ってます!!!!応援してるんで!! (2021年8月16日 20時) (レス) id: e283fb9d1f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年8月15日 14時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - ハルジオンさん» ちまちま更新再開しようと思います!よろしくお願いします… (2021年2月5日 18時) (レス) id: 522ef85b27 (このIDを非表示/違反報告)
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