老紳士の拘束 ページ45
〜・〜・〜・〜
痛みと手首の違和感に打ちひしがれながら、私は目を覚ます。
意識がしっかりしてきたのと同時に、私は自分の置かれた状況を、5秒足らずで理解した。
拘束されている。
口にはガムテープが貼られており、勝手に漏れたのは意味の無いあえぎだけ。
目の前には、高級服を纏った老紳士がひとり。
「気分は？」
「んん・・・！」
「ははっ、もちろん最高だろう。美しい君にふさわしい部屋を用意したんだから」
「んんっ・・・？」
バチッ、と火花が散るような音と共に電気がつく。慣れない光に目をくらませながらあたりを見回した。
壁も天井も、そして足元が。私の写真で埋め尽くされていた。思わず背筋が凍りつく。
ああなんてことだ、気配すら感じなかった。まさかこんなものを撮られていたなんて。
「・・・ん"んんっ！んんんっ！」
テープ越しに声を荒らげるが、この中身のない叫びが言葉になるはずもない。
ドンは？ドンはどこにいる？
そう、叫んだつもりだった。
「ああ、彼かい？彼は平気さ、ひどい目にもあわせてないし拘束もしていない
それにしても、君の友達のプラスチック。フーリッシュと言ったか？
彼もまた美しい。愚かでバカな、命ではない命を持つあの男だ」
まさか彼に手出しを？
何のために私を連れてきた。
「んんんっ！！ん"んん・・・」
彼の大きな手が私の口を強く抑え込む。
「シーッ、慌てなくても彼は来るさ」
フーリッシュ、来てはダメだ。君が私に言ったように、私が拷問されようが君は任務に集中してくれ！
すがるように神に祈る。
「さて・・・来るまで何をして遊ぼうか？」
黙れ。お前のようなソシオパスと同じ空間にいると思うと反吐が出そうだ。
睨みつけるような、見つめるような瞳で私を見るこの男に対して睨みをきかせる。
だが、私の敵意はこいつにとって得なのだ。
睨みをきかせればきかせるほど、こいつは喜ぶ。もっと見せてくれと言わんばかりに。
「・・・壊れた彼に対して向ける顔を決めておいた方がいいぞ」
ここは監視室なのか？モニターにはフーリッシュとハワードが。
彼らの行く道の先には、複数人の完全装備の部隊がいた。やつの手下だろう。私は画面越しに訴えかけるように声を上げる。
「んんん！んんっ！！」
「君の可憐なマリオネットはどこまですればガラクタになるのだろうね」
「ん"んっ"！！ん"ーー！！」
私はロープを解こうとがむしゃらに足掻く。
「そう焦らなくとも、彼は来るさ────」
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クロユリ☆★(プロフ) - ここりどらすさん» わあ、嬉しいです！ありがとうございます(^^*) (2019年8月23日 1時) (
レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 好きです。8点入れさせていただきました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: af90c931db (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - ぐうたら猫さん» ご報告ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年2月8日 18時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - こんばんは。誤字があったので、ご報告します。『彼の感情』の後半、機械が機会になってました。修正と更新、頑張って下さい！ (2019年2月8日 17時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロユリ☆★(プロフ) - 夜桜さん» わかりました！拝見させていただきますね！ (2018年8月14日 19時) (レス) id: 0bca962c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロユリ☆★ | 作成日時：2018年7月25日 13時
